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ちば山の会の山行報告

ちば山の会 山行報告のページ

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爺が岳東尾根◆写真 

木更津の樋口です。
後立山連峰、爺が岳積雪期のバリエーション入門ルートであります、
「爺が岳東尾根 雪山縦走」に行ってまいりましたので報告します。

4月中旬に計画したものの天気が悪く中止にしましたが、
この山域を開拓したく、偵察を兼ねまして再度計画・実行しました。

初日(18日)鹿島山荘から東尾根を登り、P2(標高2198m)
への急登手前、2160mにテントを設営。
初めは雨でしたが、強い寒気の影響で、標高1600m以上で雪が降り、
徐々に風雪が強まりました。
夕方には雪が本降りとなり一時吹雪となりました。
翌日は、天気が急速に回復、前日の降雪のおかげで厳冬期に様変わりした
山容に感動!。
爺が岳を登頂、冷乗越まで国境稜線を歩き、赤岩尾根・西沢を経て東尾根の
登山口である鹿島山荘に戻りました。


鹿島槍ヶ岳
 
 [5/18積雪後の鹿島槍ヶ岳(5/19)]

【山域】北アルプス北部
【ルート】爺が岳東尾根(積雪期ルート)
【登山方法】雪山縦走
【メンバー】樋口(単独)
【日程】H24.
05/18 雨のちミゾレのち雪 午後から風雪強まる。
21:10習志野東部体育館出発 03:20爺が岳スキー場着(仮眠)
06:30爺が岳スキー場を出発
06:42鹿島山荘(爺が岳東尾根登山口)通過
07:33標高1254m 小休止
08:40標高1506m 小休止
09:43標高1664m 小休止 (猛烈な藪コキで一進一退、雨がみぞれに変わる。)
11:05標高1798m 小休止 (下のJPの上、雪となる。幕営適地。)
14:00標高2160m 到着、テント設営。 (P2手前。風雪強まる。)
05/19 曇りのち晴れ、快晴となる。
01:30起床
04:00出発。
04:41日の出。
05:14 P1(標高2411m)通過
06:15標高2575m 小休止 (もうすぐそこが頂上なのに早くもシャリバテ。)
07:00爺が岳山頂(中央峰 標高2670m) 到着。
08:39冷乗越 到着。 (素晴らしい国境稜線の歩き。)
09:05冷乗越 出発。 (赤岩尾根へトラバース、途中から西沢へ。)
11:05西沢出合 到着。 (ここから林道歩き)
13:00鹿島山荘 通過。
13:15爺が岳スキー場 到着、信濃大町温泉郷 薬師の湯に立ち寄る。帰葉。
21:30木更津 到着

【内容】

05/18(金曜) 雨のちミゾレのち雪 午後から風雪強まる。
 久しぶりの雪山縦走で心が弾む。パッキングも楽しい。
初日は雨の中を登ることになる可能性があったので、濡れ対策を万全に。
また、雪稜上にテントを設営するので、スコップとスノーソーを持参。
さらに、国境稜線から赤岩尾根の下り80mは急な雪壁であることを警戒し、
ザイル50m、懸垂下降に必要な登攀ギアーを持っていく。
また、バックステップで下りることも想定しダブルアックスもザックに
くくりつける。
ザック重量は25.5kgとなる。こりゃ、重荷訓練ですね。

案の定、登山口から雨が降り出す。鹿島山荘にて登山計画書を提出。
東尾根登山口の小さな看板あり。オババの碑の脇道を通る。積雪なし。
いきなり急登となる。道はなんとなくわかる。
2本目の途中から、笹があらわれてきた。やな予感が的中。
猛烈な藪コキとなる。背丈以上あるので先が見えない。
赤布があっても、恐らく積雪期に巻いたものなので、藪コキに最適な
道筋なのかわかりません。
やはり雪があるうちに挑戦しないとこうなっちゃうんだよと独り言。
早く雪よ出てこい。
下のJP(ジャンクションピーク、標高1767m)手前から尾根の北側に
雪が現れ出す。
雪が残っていると、雪の重みで笹が倒れているからとても歩きやすくなる。
でも今度は横殴りの雪に打ちつけられることになる。冷たい。体感温度が
下がってゆく。
さらに登り詰めると立派な雪尾根となる。P3(標高1987m)への急な
雪壁の登りの手前まで幕営適地。P3の先、標高2060m付近も幕営適地。
どちらも風を遮る樹木はほとんどない。
計画ではP3付近にテントを設営する予定であったが、これから今晩に
かけて雪が積もり明日はラッセルすることも考えられるので明日の行動距離を
減らしたく、P2(標高2198m)まで頑張る。
でも、P2の直下の急登で挫けた。標高2160mのところにテントを無理くり設営。
傾斜のある雪稜にテントを張るために、整地に時間を要する。スノーソーと
スコップで掘り下げ平地をつくった。
風よけの雪ブロックを積もうとしたが、積雪量が多くないし、テント1張りの
幅しかない稜線なのであきらめる。

一晩中、強風雪でテントがバタつく、バタバタ・バチバチ音が鳴りやまず、
寝苦しい一夜を過ごすことになる。

明日の行程を考える。爺が岳に8時までに辿りつかなければ、往路を引き返そう。
でも藪コキは大変だから、やっぱり後立山連峰の国境稜線にでて予定通り
赤岩尾根を下る方が確実ではないか?。
その場合、積雪量次第かな。赤岩尾根の雪壁の下りも不安がある。早い
時間帯に通過しないと。
1時半起床とする。

05/19(土曜) 曇りのち晴れ、快晴となる。
1時半に起床、お腹は空いてないが行動時間が長くなるのでα米を流し込む。
真っ暗な中、テントを撤収。
まだ風がおさまらない。でも星がところどころみえるぞ。あっ、信濃大町や
穂高町の街灯りがギラギラみえる。
天気は回復方向に向かっているようだ。なんだかんだで4時に出発。あっと
いう間にP2を通過。
明るくなって、廻りの景色がはっきり見えて少し驚く。春山でない、厳冬期
の姿だ。雪のつき方に驚く。
爺が岳中央峰・北峰から冷尾根にかけて見事な雪のヒマラヤ模様。こりゃすごい。
でも鹿島槍ヶ岳はまだ霧の中。晴れないかなぁ。
そうこうしているうちに東尾根の核心部に迫る。
しばらく平らな稜線を歩くと眼下に見事な雪のナイフリッジの登場だ。稜線の
両側がスッパリ切れ落ちている。
若干北側に張り出しているので雪を踏み貫かないようナイフリッジの南側を
歩かないと。
ナイフリッジの手前まで雪に覆われた傾斜のきつい痩せた岩稜を降りる、
結構危険!だ。
ガイドブックによると初心者のいるパーティーや危険を感じたらザイルを
出すことと記載あることに少し納得。

次に身の危険を感じたのがP1(標高2411m)への登り。結構、新雪が深く、
雪崩そうな急斜面。
わずかな木々ある雪面と雪壁の境界を登る。そこを登りきると、目の前に
爺が岳の本峰だ。
素晴らしい稜線あるきとなる。ところどころラッセルある。本峰を登る
ルートを考えながら前進。頂上直下の雪壁に辿りつく。一気に頂上まで行き
たいところだがバテてしまう。
小休止をとる。振り返ると東尾根は私の踏み跡以外になにもない、純白な雪稜だ。
北アルプス南部の見晴らしがよくなってきた。槍ヶ岳・穂高連峰が見える
ではないか!。
でも、ここ北部の山々は雲が取れない。やっぱり寒気が残っているのだろうか。

爺が岳中央峰に7時ジャストに到着。頂上も私一人ですから大声で、「やったぞー」
と一言。
眺めは相変わらず。
写真を撮影後、先を急ぐ。国境稜線を鹿島槍ヶ岳方面に目指す、
でも、しばらくすると周囲が一気に明るくなり、霧が晴れて立山連峰が出現。
おーい、剣岳よ、久しぶり。9か月ぶりに再会したね。
そして最後まで雲がかかっていた鹿島槍ヶ岳もどっかぁ~んと姿をあらわす。
わぁ~すご~い。ほんとうに今って5月の中旬?。こちらも見事なヒマラヤだ。
あっという間に快晴に。国境稜線はパノラマ展望台と化す。
でもさぁ、国境稜線から爺が岳を振り返ってみるとちょっと情けない姿だよね。
爺が岳の西斜面はおとなしい姿で、東斜面の荒々しい姿と対象的ですね。
ん~、まぁいっか。思う存分、雪稜を楽しみましたから。

国境稜線は基本的に夏道を歩くが、昨日の積雪で結構吹き溜まりとなって
ラッセル混じりの苦しい歩きとなる。
踏み跡はなし。突如、夏道が消えてしまうところも。積雪量が多いようだ。

鹿島槍ヶ岳がぐんぐん迫ってくる。でも冷乗越でお別れかな。
必ず来年挑戦するね。心の中でそう呟き、赤岩尾根を下りにかかる。
懸念事項だった赤岩尾根の最初の下り80mの雪壁は雪が少なく、
すーっと通過しちゃいました。高千穂平まで赤岩尾根を下って、そこから
西沢に急降下、雪渓歩きとした。
雪渓を歩くことでコースタイムを短縮。あっという間に林道に辿りつく。
林道歩きは辛いけども他の単独行と山話を楽しみながら歩く。
猿の群れに遭遇、ちょっと怖かった。

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今回の山行は体力面でなんとか問題なかったものの、北アルプスの豪雪地帯の
雪山に挑戦するという精神面での闘いとなった。
行ってみないとわからないという、不安要素の対策として、必要とする装備を
持参して装備を使いこなす技術でカバーするしかなく、
必然的に背負う荷物が増えてしまった。
それをカバーする体力が今回はたまたま持っていたような感触はある
(いつもより筋肉痛が残りましたけども?。)。
でも、鹿島槍ヶ岳を挑戦するならば、・・・。
そこは単独行でなく、なんとかなるか。

以上、北アルプス爺が岳東尾根の雪山山行報告でした。


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