赤岳西壁主稜◆写真
2012/01/15 Sun 19:30:00 [edit]
ちば山、樋口です。
冬季アルパインクライミングの人気ルート
「赤岳西壁主稜 冬季登攀」を報告します。
八ヶ岳の最高峰である赤岳山頂に突き上げる主稜登攀は期待を裏切らず、
予想以上に達成感を味わえることができました。

【山域】八ヶ岳連峰
【ルート】赤岳西壁主稜
【登山方法】アルパインクライミング
【メンバー】CL田中、澤田(淳)、樋口(文責)
【日程】H24.
01/14 晴れたり曇ったり 時々 雪
03:45木更津出発 04:20市原着 05:01千葉着
08:33美濃戸口着
美濃戸までオデッセイ(FF)で行こうと挑戦したが、リタイヤ。
09:23 〃 発
10:23美濃戸山荘着
10:37 〃 発
13:45行者小屋着
テント設営
01/15 晴れのち曇り 午後から小雪
04:00起床
06:30テン場発
07:30主稜取付着(文三郎道 高度約2650m)
西壁主稜の登攀(全10ピッチ)
14:22赤岳山頂着 2899m
14:42 〃 発
地蔵尾根経由
15:45テン場着
テント撤収
16:30行者小屋発
19:30美濃戸口着
もみの湯で汗を流す、双葉SAで夕食
00:10千葉着 00:53市原着 01:38木更津着
【内容】
01/14
早朝に千葉を出発。今日は行者小屋までのアプローチなので気が楽ちん。
でもでも、美濃戸口から重たいザックを担いで歩くのが嫌、
小生のオデッセイ(FF)にチェーンを巻きつけて美濃戸までの林道を
突き進んでみたもののやっぱり昇れなくなくなっちゃいました。
仕方ない、美濃戸口まで引き返し再出発。
悔しいことに、美濃戸まで歩行中に船山のパーティーに車で先を
越されてしまいました。
美濃戸から南沢に入る。年末の石尊稜登攀時よりは積雪量は多い。
南沢もバッチリ凍っている。
行者小屋はテントが5張りあった。最終的に今晩は15張り、少なめかな?。
赤岳主稜を観察後、テントを張って、水作り。
(後ほど、テント料の徴収で赤岳鉱泉のスタッフから文三郎道の
入った先に水場があると聞かされた。えっ!)
水作りが終わったら酒を飲む。日本酒熱燗とワインで乾杯、そのまま
夕食に入る。
で、小生は酔いつぶれちゃってそのまま眠りにつく。
何時に寝たの覚えていない。
01/15
4時起床。雲の多い晴れ。6時半に出発。中岳道との分岐を
過ぎるとキツイ昇りの始まり。
文三郎道は銀座コースですね、結構ハーネスを付けている先行
パーティーがいるぞ。
何番手に主稜に取り付けるのだろう?、また渋滞ですかね。
な~んて思いながら昇っていたら左手に顕著なチムニーを確認、
主稜の取り付き地点に到着。
あらら、先行パーティーは皆、通り越してったぞ。
登攀準備と行動食を取り、主稜チムニーへトラバース。
そうしている間に次々と主稜を登攀するパーティーが押し寄せてきた。
登攀開始地点で2人組の1パーティーに先を譲る。
2番手で我々、登攀の始まりはじまり~。。。
リードは小生、樋口が担当。1-2システムでダブルザイル50m
2本を小生のハーネスに結び、小生が澤田さんと田中さんを引き
上げる形式で。フォローは澤田さんが担当。
以降、最終1ピッチのコンテを除く、9ピッチをこのスタイルで登攀した。
●1ピッチ目(20m):雪が少ないのでチョックストーンの下を
くぐり凹角の右斜面を昇る。
ここで小生が平行バランスを崩したがなんとか持ちこたえた。
稜のピナクルで支点ビレイ。岩Ⅳ-級だが何処が核心なのかよくわからず。
●2ピッチ目(50m):稜から岩壁の右側へ廻り込むように登る。
凹角を経て再びリッジの岩壁を登攀。途中でピッチ切れるが、
一気に雪稜へ。
プロテクションを3ヶ所セット。ダブルアックスが有効。
下部岩壁を通過。
●3ピッチ目(45m):雪稜。プロテクション2ヶ所セット。
中間の岩場の取り付きにあるピナクルで支点ビレイ。この辺り、
登攀お決まりのコールすると、文三郎尾根の一般登山者がこちらに
振り向きウォッチする。でも、田中さんと澤田さんに声が届かない。
会話がギクシャク。
●4ピッチ目(40m):中間の岩場を右に巻いたところで弱点の
凹角を昇る。ここはボディービレイ用の支点なく、ピッケルを突き
刺して支点を作る。
スタンディングアックスビレイもありか。
●5ピッチ目(50m):快適な雪稜。上部岩壁の手前に支点ビレイ
用のピトン2つあり。利用させていただく。ここで小休止。
背後の雪景色が素晴らしい。大同心と小同心も青空に向けて仲良く
そびえ立っている。
●6ピッチ目(30m):上部岩壁を右側に巻き、核心の昇りの
取り付き点へ。このピッチでザイル2本が絡まって、解くのに時間を要し
後発2パーティーに追いつかれる。
他パーティーはコンテで登るが、我々はコンテを避けた。とても大きな
ピナクルに長さ2mのシュリンゲを掛けて支点ビレイ
(ここはクリップビレイを使った、スピード優先)。
●7ピッチ目(50m):上部核心部の登攀。3パーティーが入り
乱れて登攀するも、各パーティーの登攀ルートが若干違っている。
小生は先ず稜を少し急な段差を昇ってから右斜面をトラバース気味に
上がり、垂直気味のフェースに突き当ったら直登した。
フェースまでは所々にランニングビレイの支点あり。フェースに
ランニングビレイの支点はなかった。気持ち前に岩が張り出して
いるかも。岩Ⅲ+級だが、結構身の危険を感じた。言い換えると
スリルがあるのかな。混雑を避けるためフェースを登り切ってから
少し稜を登る。支点ビレイは稜のピナクルで。
●8ピッチ目(25m):雪稜。ここも他パーティーはコンテで
進むが、我々はコンテを使わず。
最後の凹角の昇りの取り付きにボディービレ点がいくつかありそれを
利用してクリップビレイ。
この辺りから風が強くなり、厳しい寒さに襲われる。
●9ピッチ目(45m):ダブルアックスで正面の凹角を登り抜けると
稜にでる、
岩壁終了。支点ビレイとなるものが少ない。頂上直下。
●10ピッチ目(50m):なんちゃってコンテで赤岳頂上へ。
一般登山道に合流。登攀終了。
赤岳山頂は雪混じりの風強く、じっとしていられない。
山頂小屋の風下にはいり、登攀成功の握手を交わす。
なんて達成感のある登攀だろうか。ぜひともまたリピート登攀したいな。
冬季アルパインクライミングをやりつづけよう。いや、冬季アルパイン
クライミングを辞めろといわれても、やめられません!。
地蔵尾根経由で行者小屋のテント場へ。地蔵尾根下降にルート
変更をしたのは、遅れ気味の時間短縮、寒さ対策と風を避けるため
文三郎道を止め、現場判断にて変えた。
先の石尊稜登攀で利用した時よりも積雪量が多く、快適な下山。
澤田さんは途中、尻セードで雪山遊びを楽しむ。。。

----------------
赤岳西壁主稜は結構、若いパーティーが多く、活気がある。
また、ロープワークがそれなりに上手なクライマーが多いように思えた。
石尊稜よりもレベルの高いクライマーが挑戦していることを感じた。
以上、八ヶ岳 赤岳西壁主稜、冬季登攀の山行報告でした。
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冬季アルパインクライミングの人気ルート
「赤岳西壁主稜 冬季登攀」を報告します。
八ヶ岳の最高峰である赤岳山頂に突き上げる主稜登攀は期待を裏切らず、
予想以上に達成感を味わえることができました。

【山域】八ヶ岳連峰
【ルート】赤岳西壁主稜
【登山方法】アルパインクライミング
【メンバー】CL田中、澤田(淳)、樋口(文責)
【日程】H24.
01/14 晴れたり曇ったり 時々 雪
03:45木更津出発 04:20市原着 05:01千葉着
08:33美濃戸口着
美濃戸までオデッセイ(FF)で行こうと挑戦したが、リタイヤ。
09:23 〃 発
10:23美濃戸山荘着
10:37 〃 発
13:45行者小屋着
テント設営
01/15 晴れのち曇り 午後から小雪
04:00起床
06:30テン場発
07:30主稜取付着(文三郎道 高度約2650m)
西壁主稜の登攀(全10ピッチ)
14:22赤岳山頂着 2899m
14:42 〃 発
地蔵尾根経由
15:45テン場着
テント撤収
16:30行者小屋発
19:30美濃戸口着
もみの湯で汗を流す、双葉SAで夕食
00:10千葉着 00:53市原着 01:38木更津着
【内容】
01/14
早朝に千葉を出発。今日は行者小屋までのアプローチなので気が楽ちん。
でもでも、美濃戸口から重たいザックを担いで歩くのが嫌、
小生のオデッセイ(FF)にチェーンを巻きつけて美濃戸までの林道を
突き進んでみたもののやっぱり昇れなくなくなっちゃいました。
仕方ない、美濃戸口まで引き返し再出発。
悔しいことに、美濃戸まで歩行中に船山のパーティーに車で先を
越されてしまいました。
美濃戸から南沢に入る。年末の石尊稜登攀時よりは積雪量は多い。
南沢もバッチリ凍っている。
行者小屋はテントが5張りあった。最終的に今晩は15張り、少なめかな?。
赤岳主稜を観察後、テントを張って、水作り。
(後ほど、テント料の徴収で赤岳鉱泉のスタッフから文三郎道の
入った先に水場があると聞かされた。えっ!)
水作りが終わったら酒を飲む。日本酒熱燗とワインで乾杯、そのまま
夕食に入る。
で、小生は酔いつぶれちゃってそのまま眠りにつく。
何時に寝たの覚えていない。
01/15
4時起床。雲の多い晴れ。6時半に出発。中岳道との分岐を
過ぎるとキツイ昇りの始まり。
文三郎道は銀座コースですね、結構ハーネスを付けている先行
パーティーがいるぞ。
何番手に主稜に取り付けるのだろう?、また渋滞ですかね。
な~んて思いながら昇っていたら左手に顕著なチムニーを確認、
主稜の取り付き地点に到着。
あらら、先行パーティーは皆、通り越してったぞ。
登攀準備と行動食を取り、主稜チムニーへトラバース。
そうしている間に次々と主稜を登攀するパーティーが押し寄せてきた。
登攀開始地点で2人組の1パーティーに先を譲る。
2番手で我々、登攀の始まりはじまり~。。。
リードは小生、樋口が担当。1-2システムでダブルザイル50m
2本を小生のハーネスに結び、小生が澤田さんと田中さんを引き
上げる形式で。フォローは澤田さんが担当。
以降、最終1ピッチのコンテを除く、9ピッチをこのスタイルで登攀した。
●1ピッチ目(20m):雪が少ないのでチョックストーンの下を
くぐり凹角の右斜面を昇る。
ここで小生が平行バランスを崩したがなんとか持ちこたえた。
稜のピナクルで支点ビレイ。岩Ⅳ-級だが何処が核心なのかよくわからず。
●2ピッチ目(50m):稜から岩壁の右側へ廻り込むように登る。
凹角を経て再びリッジの岩壁を登攀。途中でピッチ切れるが、
一気に雪稜へ。
プロテクションを3ヶ所セット。ダブルアックスが有効。
下部岩壁を通過。
●3ピッチ目(45m):雪稜。プロテクション2ヶ所セット。
中間の岩場の取り付きにあるピナクルで支点ビレイ。この辺り、
登攀お決まりのコールすると、文三郎尾根の一般登山者がこちらに
振り向きウォッチする。でも、田中さんと澤田さんに声が届かない。
会話がギクシャク。
●4ピッチ目(40m):中間の岩場を右に巻いたところで弱点の
凹角を昇る。ここはボディービレイ用の支点なく、ピッケルを突き
刺して支点を作る。
スタンディングアックスビレイもありか。
●5ピッチ目(50m):快適な雪稜。上部岩壁の手前に支点ビレイ
用のピトン2つあり。利用させていただく。ここで小休止。
背後の雪景色が素晴らしい。大同心と小同心も青空に向けて仲良く
そびえ立っている。
●6ピッチ目(30m):上部岩壁を右側に巻き、核心の昇りの
取り付き点へ。このピッチでザイル2本が絡まって、解くのに時間を要し
後発2パーティーに追いつかれる。
他パーティーはコンテで登るが、我々はコンテを避けた。とても大きな
ピナクルに長さ2mのシュリンゲを掛けて支点ビレイ
(ここはクリップビレイを使った、スピード優先)。
●7ピッチ目(50m):上部核心部の登攀。3パーティーが入り
乱れて登攀するも、各パーティーの登攀ルートが若干違っている。
小生は先ず稜を少し急な段差を昇ってから右斜面をトラバース気味に
上がり、垂直気味のフェースに突き当ったら直登した。
フェースまでは所々にランニングビレイの支点あり。フェースに
ランニングビレイの支点はなかった。気持ち前に岩が張り出して
いるかも。岩Ⅲ+級だが、結構身の危険を感じた。言い換えると
スリルがあるのかな。混雑を避けるためフェースを登り切ってから
少し稜を登る。支点ビレイは稜のピナクルで。
●8ピッチ目(25m):雪稜。ここも他パーティーはコンテで
進むが、我々はコンテを使わず。
最後の凹角の昇りの取り付きにボディービレ点がいくつかありそれを
利用してクリップビレイ。
この辺りから風が強くなり、厳しい寒さに襲われる。
●9ピッチ目(45m):ダブルアックスで正面の凹角を登り抜けると
稜にでる、
岩壁終了。支点ビレイとなるものが少ない。頂上直下。
●10ピッチ目(50m):なんちゃってコンテで赤岳頂上へ。
一般登山道に合流。登攀終了。
赤岳山頂は雪混じりの風強く、じっとしていられない。
山頂小屋の風下にはいり、登攀成功の握手を交わす。
なんて達成感のある登攀だろうか。ぜひともまたリピート登攀したいな。
冬季アルパインクライミングをやりつづけよう。いや、冬季アルパイン
クライミングを辞めろといわれても、やめられません!。
地蔵尾根経由で行者小屋のテント場へ。地蔵尾根下降にルート
変更をしたのは、遅れ気味の時間短縮、寒さ対策と風を避けるため
文三郎道を止め、現場判断にて変えた。
先の石尊稜登攀で利用した時よりも積雪量が多く、快適な下山。
澤田さんは途中、尻セードで雪山遊びを楽しむ。。。

----------------
赤岳西壁主稜は結構、若いパーティーが多く、活気がある。
また、ロープワークがそれなりに上手なクライマーが多いように思えた。
石尊稜よりもレベルの高いクライマーが挑戦していることを感じた。
以上、八ヶ岳 赤岳西壁主稜、冬季登攀の山行報告でした。
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