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ちば山の会の山行報告

ちば山の会 山行報告のページ

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京丸山~竜馬ヶ岳■写真 

吉川です。東谷山の山スキーを計画していましたが、悪天を予想し、影響の少ないと思われる深南部のヤブ山縦走に切り替えたのですが、積雪、強風、地形の険しさ、思う存分味わってきました。

03展望台(背後は左:高塚山と右:竜馬ヶ岳) 
 [展望台(背後は左:高塚山と右:竜馬ヶ岳)]

【山域】南ア、深南部 
【ルート】京丸山~高塚山~竜馬ヶ岳 
登山方法【藪縦走】 
【期日】2/14~15 
【メンバー】CL 柘植、吉川(記) 
【行程】
2/14土気3:15-京葉道、新東名浜松北ICー362号ー石切林道ゲート8:30/8:45-京丸山登山口9:08-1305m展望台10:58-京丸山13:24/13:40-1350m付近鞍部幕営16:30
2/16 幕営地6:10-高塚山直下-竜馬ヶ岳9:58-岩岳神社11:25-荷小屋峠-1021m-京丸林道15:30-石切林道ゲート16:45-浜松北IC-新東名-京葉道-帰葉

【内容】
2/14(晴れ)林道ゲートまで小石や木の枝は落ちているものの問題なく走れゲート手前に駐車して、廃村になった京丸集落へ続く道を進む。ほどなく京丸登山口の道しるべに従い尾根に取り付く、尾根の取り付きはどこでも同じように急登だが、今日は、水を4リットル担いているのでカメさんモードで一登りする。何かの運搬用のケーブル、廃架線が放置され、そこを林道が横切っている。

この先、祠があり、暫く、緩やかな林道となる。姫娑羅のみちと書かれた柱、どこかの公園に紛れ込んだような錯覚のまま開けた展望場に出た。京丸谷を挟んで明日のルートが目の前に広がった。高塚山や竜馬ヶ岳のザレ場も見えあの淵を歩く想像がつく。林道はここで終わり、この辺りから雪を踏みしめたり、痩せ尾根に岩場が現れたりと重荷ゆえ緊張する場面もあったが、雑木の立ち並ぶ京丸山に立つ。木立の向こうに、たぶん中央アルプス、房小山、バラ谷の頭、黒法師の山を見る。

 これより、向きをかえ、北東に延びる尾根に進む。いきなり、ひざ上の積雪に、残雪期に笊ヶ岳敗退したときのことがよぎるが、尾根の西面は、雪は風に飛ばされ、東面に吹き溜まりができているので、当然のことながら雪の浅い所を進む。鞍部や二重山稜のようなところのルート取りは苦労した。この稜線に入ってから、益々風は強くなっている。1414mのピークを越へ高塚山、肩の手前の鞍部に風を受けない良い幕営地を見つけた。夜、リーダーは、浜松方面の夜景が綺麗だった。と言っていたが、深夜は、真っ暗で何も見えなく残念だった。

 2/15(曇りのち晴れ、強風)一晩中風は強くやむ気配なく気が重い。のんびり朝食を済ませ、テント撤収は、雪上にしては冷たさを感じなかった。歩き始めて間もなく、竜馬ヶ岳の奥に日の出を見た。不気味さを感じるほどの太陽に感動する。昨日の続きで、うねりにはまり脱出しながらも、稜線を進み、高塚山のガレ場を右に見て登る。強風のため高塚山山頂は踏まずに、GPSに従い竜馬ヶ岳への稜線に向かう。雪の急斜面や、倒木に吹き溜まりだったり、下りのルートさがしに夢中のうちに先の見通しがつく場所にでた。

気付いてみれば二時間近く歩き続けていた。鉛色の雲の下に竜馬ヶ岳、谷の向こうには、昨日歩いた展望場から京丸山の稜線を望みながら一休み、山なりの風音を耳にしながらでも風を受けない場所は、ホッとする。暫く、金茶いろの綺麗な木肌の沙羅の木の林をのんびり下った後、雪の積もった岩場の急登を強風にさらされながら格闘のすえ竜馬ヶ岳山頂に立つ。岩岳神社までは、天然記念物のシロヤシオ、アカヤシオの木の回廊を下る。(この木々が花をつけたらと想像する)岩岳神社(狛犬が猿だった)を過ぎて間もなく地形図の破線を辿るルートに入るので、気持ちが緩んだせいか、疲れを感じた。

荷小屋峠までは、荒れた場所もあったが、よく踏まれた登山道を何気に進んできた。この先1021mのピークまでアッダウンの繰り返しの後、北西の尾根に向きをかえ500m下り、京丸川を渡渉するのだが、北西に向きを変えた後は、次々に発生する尾根をたどり、動物のふみ跡もない急斜面のトラバースしたりと、地図を見る余裕もなくGPSの指示通り下った。下に沢が見えた時は感動ものだったが、掴む物の乏しい急斜面は、足も定まらず、最後は、倒木とずるずる滑り降りる。

すぐに、川を渡り尾根に這い上がる、ぐずぐずの急斜面を岩の基部を巻き、木々や根を掴み登った。しかし、上を見ても林道らしき景色にほど遠く、ルートミスに気付き元の沢に戻る。先ほどおり立った沢は枝沢で、そこから、少し下がった所に本流があり、今度こそ、京丸川を渡渉して対岸の斜面を登り林道に出たった。ここを右に上っていくと廃村になった京丸集落がある。今でも、藤原家の人が、時折車で見回りに行っているらしい。

ろくに休憩もなく歩き続け、林道歩きになりホッとしたら、空腹を感じ、大休止!林道を歩きながら、京丸川に落とす山襞の険しい事、そんな所に、吊り橋がかかっているのに驚いた。いったいどこに続くのか?ちょっと気になる。やっと車が見えた。日の出から日没近くまで、長い一日だったが、変化に富んだ山歩きだったせいか、その日は、あまり疲れを感じず、風呂もよらず、一目散に帰宅した。

 主だった稜線上には、ほとんど積雪があり、吹き溜まりとなると、ももまでの積雪があったが、凍っては、いなかったので、アイゼンは使わなかった。
 自身の反省としては、地形図の破線ルートは、現在生きているとは限らないので、注意すること。枝沢に降り立った時、地図を見なかった事。(帰宅してから地図をよく見ると、水線は入っていないが沢地形であった。

 山だけでなく、小俣、京丸集落には、南北朝時代から600年もの歴史があり、遠州の七不思議と言われる60年に一度咲く唐傘ほどの京丸牡丹の話などいろいろな伝説がありどんどん引き込まれてしまう。もう少しこの周辺の山を歩いてみたいと今思う。(この集落は三十年前廃村になっている)

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