湯ノ又沢・赤湯又沢・虎毛沢遡行◆写真
2014/09/15 Mon 14:40:00 [edit]
こんにちは
お世話になっています。
ちば山の澤田(路)です。
9月12夜~15日に湯ノ又沢・赤湯又沢・虎毛沢を遡行してきました。
その報告です。
[有名な亀甲模様のところに到着]
メンバー CL柘植秀樹 渡辺理恵子 石井恵子 澤田路子
9/13(土) 湯ノ又温泉跡9:30→湯ノ又沢入渓地点9:50→稜線12:30→赤湯又沢下降点12:50→15:20オンドル付幕場
前日仮眠した「あら伊達な道の駅」を朝6時近くに撤収して下山予定の虎毛山登山口に車を回す。リーダーの粋なはからいで、残りのメンバーは途中の国道沿いで車を降りて一足早く国道を1時間半程歩いて本日の入渓地点である湯ノ又温泉跡に向かう。車を置いてからその分多く歩くリーダーには感謝。最終日に下山後ここを歩くより初日の元気な朝一の方が歩くのも苦にならないだろうとの判断だ。
のんびり朝の風景を楽しみながら湯ノ俣沢へと道を分けるところで待っているとほどなくリーダーも到着。看板に従い湯ノ又沿いの林道を行くと湯ノ又滝の看板があり、なるほど奥にりっぱな滝が見える。登山道はさらに湯ノ又沢沿いに続くが、二つ目の橋で身支度して入渓。登山体系の紹介では明るく易しい沢と記載があるだけで、50mや10mのナメはあるらしいが遡行図もあっさりしている。実際の渓相もその通りで、人口的に作られた舗装道路のような凝灰岩のナメが続く。森の中を滑るように流れる水流の奇麗さに見とれながらゆるりとした気分でひたひたと歩く。いくつか出てくる小滝も難なくいつの間にか通過という感じ。850mの二俣を右にとり900mでも右をつめていくと最後は根曲がり竹の急斜面の藪に突入。腕力勝負で20分程がんばるとほぼ予定通り登山道1200m地点に出る。登山道といっても高松山まで足を延ばす登山者は少ないのか生茂る草がかぶさるような道である。
地形図とGPSから当たりをつけた下降地点に来ると赤布の目印もあり、踏み跡らしきものもある。いよいよ赤湯又沢右俣より本日の幕営地である赤湯又の野湯をめざしての下降。源頭部は傾斜もきつかったが、水流が現れ明瞭な沢筋にはいるとやがてナメの渓相になる。下降となると見た目以上に滑るところもあり、慎重に足を運びつつも滝らしい滝もなく快適に下降していく。そのうち雷鳴が聞こえたと思ったらいつの間にか空が暗くなりあっという間にスコールのような雨が降り出しあわてて雨具を出して着込む。途中から温泉の匂いがして、水も濁りだし、岩の色が赤茶けてくると、いよいよオンドル幕営地近しという感じがする。いつ間にか雨もやんで前方にたなびく煙が見えて、たき火の匂いがしてくると、程なくあちこちから蒸気が吹き上げるオンドル台地に到着。先行パーティーのターブとたき火の炎が目に入る。実はこの先行パーティーは澤田のもう一つ所属する“都職山の会”のパーティーであり、入山情報も入っていたので予測の範囲。見知ったメンバーなので勧められるままに遠慮なくよく燃えているたき火にあたらせてもらい、びしょぬれになった衣類も乾かせて有り難い。切干大根の煮物や途中に収穫したブナはりのバター炒めのおすそわけも美味しかった。
そしてここに泊る最大の目的だった野湯はといえば、残念なことに昨年あったすぐ下の河原に見つけた快適な野湯はすっかり壊れて緑の苔が漂う湯だまりになり、反対の沢筋の三段の野湯は昨年以上に荒れてせいぜい足湯がいいとこという状態になっていた。温泉工事をする程の意欲も湧かず、そのままプチ飲みタイム。ちば山パーティーは共同の白米を炊くだけなので、特にすることもなく、夕時までもらいたき火でゆったり過ごす。こういう時間が沢ならではの至福の時。各自のおかずで簡単夕食を済ませ、やがて満天の星が谷間の空を埋め尽くす。地面は適度なオンドル状態でシュラフカバーだけでもぬくぬくと快適に寝って朝を迎える。
9/14(日) 幕場6:50→虎毛沢出合8:30→13:30二俣上の幕場
本日は“都職パーティー”の釣り好きメンバーが2時間程先行して虎毛沢からは釣りあがって遡行しているらしいので、追いこさないよう調整しながらのんびりと遡行することになる。オンドルの幕場のすぐ下流にも噴煙の吹き出す所があり、よく探せば他にも野湯適地があるのかもしれない。
とりあえず虎毛沢出合いまではあまり変化のないゴーロ歩きの下降である。ゴーロに飽きる頃ミニゴルジュの中の3m滝を降りると虎毛沢出合いとなり遡行がはじまる。本日はお天気も良く幕営地までの遡行時間もそう長くないので、美しいナメの沢をのんびり楽しむことに徹して歩けることが嬉しい。ゆったり蛇行するナメ、小滝が落ち込む小さな釜でも透き通る緑の色合いはもちろん岩質のせいかナメのそこここに小さく奇麗にえぐれた窪みがあり、これもまた美しい。660mあたりからよく記録にある亀甲模様のナメ床がかなりい広い範囲で出てくる。まさに自然が作った芸術品である。鮮やかに咲き誇る紫のトリカブトが一層映える。さらに朝の陽射しが揺れる水面のレンズを通してきらきらと沢床に見事な文様を映し出し、おもわず「きれい!」と女性陣から声が出る。カメラのない澤田を除いてそれぞれマイカメラを出して撮影に余念がない。ナメ滝らしくところどころそれなりに微妙なへつりもあり、へつりきれずにどぼんもあり、泳ぐ程ではないにしても「どうせ濡れたから釜や淵に入ってしまえ!」とけっこう水と戯れ楽しむ。緊張感のある激流や高度感のある渓相ではないから落ちても大丈夫という安心感があるからこそだろう。今となると特定できる記憶はないが、時にお助けを出してもらった箇所もあったものの、まさに私好みの癒し系の沢である。
そして高度計が示す720mあたりで左に沢を確認し、その先の左岸台地には先行していた“都職パーティー”のタープが張られており、その上の台地をわれわれの本日の幕場として遡行を終了した。こ時点では高度からも地形図、遡行図からも二俣はこの先に出てくるものと思いこんで疑わなかった。今思うと大いに反省。
まだ時間は早く、薪集めも済んで、とりあえず夕食の支度まで自由時間になり、澤田は遊びがてら釣りざお片手に上流や枝沢へとうろうろさせてもらう。しかしどちらも先行者が釣り糸をたれているのでボウズのままあきらめて「せっかく時間をもらったのにごめんなさい」とすごすご天場へ戻る。途中釣りざおを出そうとした時に昨日同様夕立のような雨がふったが、一時のもので、テントでやり過ごした後はたき火を囲んで、昨日同様のんびり過ごしたのは言うまでもない。
9/15(月) 幕場6:30→左俣途中引返地点7:50→二俣8:30→虎毛山付近稜線11:50→14:40虎毛山登山口(クルマデポ)
本日も天気はまあまあ。湯だけを沸かして各自の朝食を食べていると、“都職パーティー”が「お先に」と先行していく。歩き出すと間もなくナメの小滝。昨日は釣りでここまで来たが、フリーでのクライムダウンは厳しいと思い先へは進まなかったが、見た目よりは登りやすかった。その後もそれなりに微妙に緊張するナメ滝がいくつか出てきて、なかなか二俣が現れないと思っているところにやっと左岸に沢を確認。しかし幕場から離れ過ぎていることに疑問を感じつつリーダーが改めてGPSで確認すると、どうやら右俣を見逃してすでに左俣を遡行しているよう。傷は浅いとすぐに二俣をめざして戻る。結局往復のロスタイム2時間で二俣を確認し、しきり直しとなった。
しかし恥ずかしながら、澤田はこの時点でも昨日の天場直前の枝沢が右俣だったとは思わず、ただうっかり右俣を見逃しただけと思っていた。原因はいくつかの現在地判断条件を最初に思いこんだ判断に都合のいいように解釈したことと思われるが、あらためて思いこみの危うさを実感する。
傷は浅いと元気をとりもどして右俣に入ったが、しばらくくは何の変哲もないゴーロが続く。その後はびっくりするような大木が沢筋全体を埋め尽くすように横たわる倒木帯をうんざりするくらいひたすらくぐったり、かき分けたり、よじ登ったりの連続であった。特に下流部は最近のものらしく、真新しく大きな根ごとなぎ倒されている様子は痛々しい。遡行図上のナメ滝はほとんど倒木の下で埋まっているようだ。初めて滝らしい滝がでてきたのは7mロープ使用と記録に出ていた滝。リーダーが空身でトップに登り、ザイルを出してもらって通過。その後の小滝はおたすけを出してもらう箇所もあったが、水が涸れた後も明瞭ですっきりした沢筋をつめていくと、いつの間にか根曲がり竹の急斜面の密藪に入り、30分程必死に漕いでいると、稜線の登山者の声が聞こえてくる。しかし「やったー!もうすぐだ」と思えてからもシャクナゲ混じりの最後の急な密藪にあと10歩がなかなかやっかいでもがいてもがいて登山道に出る。
分岐で沢装備を解き、これですべての遡行を終了した安堵感と満ち足りた気分で、虎毛山のピークはスルーして、下山を開始。急斜面の登山道をじぐざぐに下った後は虎毛山自慢のブナ林にこころを和ませ、崩壊による巻道を登り降りして、車が見えるのを今か今かと期待しながら工事車両が追いこしていく林道を歩いていく。そして3時間弱で懐かしい柘植車に戻る。なんとほどなくすると先行した“都職パーティー”が下りてきて、聞くと左俣をそのまま遡行し3時間近い藪漕ぎを強いられた後、虎毛山を踏んでの下山とのこと。間違った情報の発信元として責任の一端を感じ、恐縮しきりである。
今回澤田にとってはちば山の初の泊り沢。予想通り食事、テント、たき火などなど今までの経験とは違うやり方を体験して、カルチャーショックも色々あった。判断ミスの反省は反省として思った以上に天気にも恵まれ東北らしい沢旅を楽しんだ3日間だった。新人の澤田を気持ちよく受け入れてくれたリーダーとメンバー皆さんに感謝である。
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お世話になっています。
ちば山の澤田(路)です。
9月12夜~15日に湯ノ又沢・赤湯又沢・虎毛沢を遡行してきました。
その報告です。

[有名な亀甲模様のところに到着]
メンバー CL柘植秀樹 渡辺理恵子 石井恵子 澤田路子
9/13(土) 湯ノ又温泉跡9:30→湯ノ又沢入渓地点9:50→稜線12:30→赤湯又沢下降点12:50→15:20オンドル付幕場
前日仮眠した「あら伊達な道の駅」を朝6時近くに撤収して下山予定の虎毛山登山口に車を回す。リーダーの粋なはからいで、残りのメンバーは途中の国道沿いで車を降りて一足早く国道を1時間半程歩いて本日の入渓地点である湯ノ又温泉跡に向かう。車を置いてからその分多く歩くリーダーには感謝。最終日に下山後ここを歩くより初日の元気な朝一の方が歩くのも苦にならないだろうとの判断だ。
のんびり朝の風景を楽しみながら湯ノ俣沢へと道を分けるところで待っているとほどなくリーダーも到着。看板に従い湯ノ又沿いの林道を行くと湯ノ又滝の看板があり、なるほど奥にりっぱな滝が見える。登山道はさらに湯ノ又沢沿いに続くが、二つ目の橋で身支度して入渓。登山体系の紹介では明るく易しい沢と記載があるだけで、50mや10mのナメはあるらしいが遡行図もあっさりしている。実際の渓相もその通りで、人口的に作られた舗装道路のような凝灰岩のナメが続く。森の中を滑るように流れる水流の奇麗さに見とれながらゆるりとした気分でひたひたと歩く。いくつか出てくる小滝も難なくいつの間にか通過という感じ。850mの二俣を右にとり900mでも右をつめていくと最後は根曲がり竹の急斜面の藪に突入。腕力勝負で20分程がんばるとほぼ予定通り登山道1200m地点に出る。登山道といっても高松山まで足を延ばす登山者は少ないのか生茂る草がかぶさるような道である。
地形図とGPSから当たりをつけた下降地点に来ると赤布の目印もあり、踏み跡らしきものもある。いよいよ赤湯又沢右俣より本日の幕営地である赤湯又の野湯をめざしての下降。源頭部は傾斜もきつかったが、水流が現れ明瞭な沢筋にはいるとやがてナメの渓相になる。下降となると見た目以上に滑るところもあり、慎重に足を運びつつも滝らしい滝もなく快適に下降していく。そのうち雷鳴が聞こえたと思ったらいつの間にか空が暗くなりあっという間にスコールのような雨が降り出しあわてて雨具を出して着込む。途中から温泉の匂いがして、水も濁りだし、岩の色が赤茶けてくると、いよいよオンドル幕営地近しという感じがする。いつ間にか雨もやんで前方にたなびく煙が見えて、たき火の匂いがしてくると、程なくあちこちから蒸気が吹き上げるオンドル台地に到着。先行パーティーのターブとたき火の炎が目に入る。実はこの先行パーティーは澤田のもう一つ所属する“都職山の会”のパーティーであり、入山情報も入っていたので予測の範囲。見知ったメンバーなので勧められるままに遠慮なくよく燃えているたき火にあたらせてもらい、びしょぬれになった衣類も乾かせて有り難い。切干大根の煮物や途中に収穫したブナはりのバター炒めのおすそわけも美味しかった。
そしてここに泊る最大の目的だった野湯はといえば、残念なことに昨年あったすぐ下の河原に見つけた快適な野湯はすっかり壊れて緑の苔が漂う湯だまりになり、反対の沢筋の三段の野湯は昨年以上に荒れてせいぜい足湯がいいとこという状態になっていた。温泉工事をする程の意欲も湧かず、そのままプチ飲みタイム。ちば山パーティーは共同の白米を炊くだけなので、特にすることもなく、夕時までもらいたき火でゆったり過ごす。こういう時間が沢ならではの至福の時。各自のおかずで簡単夕食を済ませ、やがて満天の星が谷間の空を埋め尽くす。地面は適度なオンドル状態でシュラフカバーだけでもぬくぬくと快適に寝って朝を迎える。
9/14(日) 幕場6:50→虎毛沢出合8:30→13:30二俣上の幕場
本日は“都職パーティー”の釣り好きメンバーが2時間程先行して虎毛沢からは釣りあがって遡行しているらしいので、追いこさないよう調整しながらのんびりと遡行することになる。オンドルの幕場のすぐ下流にも噴煙の吹き出す所があり、よく探せば他にも野湯適地があるのかもしれない。
とりあえず虎毛沢出合いまではあまり変化のないゴーロ歩きの下降である。ゴーロに飽きる頃ミニゴルジュの中の3m滝を降りると虎毛沢出合いとなり遡行がはじまる。本日はお天気も良く幕営地までの遡行時間もそう長くないので、美しいナメの沢をのんびり楽しむことに徹して歩けることが嬉しい。ゆったり蛇行するナメ、小滝が落ち込む小さな釜でも透き通る緑の色合いはもちろん岩質のせいかナメのそこここに小さく奇麗にえぐれた窪みがあり、これもまた美しい。660mあたりからよく記録にある亀甲模様のナメ床がかなりい広い範囲で出てくる。まさに自然が作った芸術品である。鮮やかに咲き誇る紫のトリカブトが一層映える。さらに朝の陽射しが揺れる水面のレンズを通してきらきらと沢床に見事な文様を映し出し、おもわず「きれい!」と女性陣から声が出る。カメラのない澤田を除いてそれぞれマイカメラを出して撮影に余念がない。ナメ滝らしくところどころそれなりに微妙なへつりもあり、へつりきれずにどぼんもあり、泳ぐ程ではないにしても「どうせ濡れたから釜や淵に入ってしまえ!」とけっこう水と戯れ楽しむ。緊張感のある激流や高度感のある渓相ではないから落ちても大丈夫という安心感があるからこそだろう。今となると特定できる記憶はないが、時にお助けを出してもらった箇所もあったものの、まさに私好みの癒し系の沢である。
そして高度計が示す720mあたりで左に沢を確認し、その先の左岸台地には先行していた“都職パーティー”のタープが張られており、その上の台地をわれわれの本日の幕場として遡行を終了した。こ時点では高度からも地形図、遡行図からも二俣はこの先に出てくるものと思いこんで疑わなかった。今思うと大いに反省。
まだ時間は早く、薪集めも済んで、とりあえず夕食の支度まで自由時間になり、澤田は遊びがてら釣りざお片手に上流や枝沢へとうろうろさせてもらう。しかしどちらも先行者が釣り糸をたれているのでボウズのままあきらめて「せっかく時間をもらったのにごめんなさい」とすごすご天場へ戻る。途中釣りざおを出そうとした時に昨日同様夕立のような雨がふったが、一時のもので、テントでやり過ごした後はたき火を囲んで、昨日同様のんびり過ごしたのは言うまでもない。
9/15(月) 幕場6:30→左俣途中引返地点7:50→二俣8:30→虎毛山付近稜線11:50→14:40虎毛山登山口(クルマデポ)
本日も天気はまあまあ。湯だけを沸かして各自の朝食を食べていると、“都職パーティー”が「お先に」と先行していく。歩き出すと間もなくナメの小滝。昨日は釣りでここまで来たが、フリーでのクライムダウンは厳しいと思い先へは進まなかったが、見た目よりは登りやすかった。その後もそれなりに微妙に緊張するナメ滝がいくつか出てきて、なかなか二俣が現れないと思っているところにやっと左岸に沢を確認。しかし幕場から離れ過ぎていることに疑問を感じつつリーダーが改めてGPSで確認すると、どうやら右俣を見逃してすでに左俣を遡行しているよう。傷は浅いとすぐに二俣をめざして戻る。結局往復のロスタイム2時間で二俣を確認し、しきり直しとなった。
しかし恥ずかしながら、澤田はこの時点でも昨日の天場直前の枝沢が右俣だったとは思わず、ただうっかり右俣を見逃しただけと思っていた。原因はいくつかの現在地判断条件を最初に思いこんだ判断に都合のいいように解釈したことと思われるが、あらためて思いこみの危うさを実感する。
傷は浅いと元気をとりもどして右俣に入ったが、しばらくくは何の変哲もないゴーロが続く。その後はびっくりするような大木が沢筋全体を埋め尽くすように横たわる倒木帯をうんざりするくらいひたすらくぐったり、かき分けたり、よじ登ったりの連続であった。特に下流部は最近のものらしく、真新しく大きな根ごとなぎ倒されている様子は痛々しい。遡行図上のナメ滝はほとんど倒木の下で埋まっているようだ。初めて滝らしい滝がでてきたのは7mロープ使用と記録に出ていた滝。リーダーが空身でトップに登り、ザイルを出してもらって通過。その後の小滝はおたすけを出してもらう箇所もあったが、水が涸れた後も明瞭ですっきりした沢筋をつめていくと、いつの間にか根曲がり竹の急斜面の密藪に入り、30分程必死に漕いでいると、稜線の登山者の声が聞こえてくる。しかし「やったー!もうすぐだ」と思えてからもシャクナゲ混じりの最後の急な密藪にあと10歩がなかなかやっかいでもがいてもがいて登山道に出る。
分岐で沢装備を解き、これですべての遡行を終了した安堵感と満ち足りた気分で、虎毛山のピークはスルーして、下山を開始。急斜面の登山道をじぐざぐに下った後は虎毛山自慢のブナ林にこころを和ませ、崩壊による巻道を登り降りして、車が見えるのを今か今かと期待しながら工事車両が追いこしていく林道を歩いていく。そして3時間弱で懐かしい柘植車に戻る。なんとほどなくすると先行した“都職パーティー”が下りてきて、聞くと左俣をそのまま遡行し3時間近い藪漕ぎを強いられた後、虎毛山を踏んでの下山とのこと。間違った情報の発信元として責任の一端を感じ、恐縮しきりである。
今回澤田にとってはちば山の初の泊り沢。予想通り食事、テント、たき火などなど今までの経験とは違うやり方を体験して、カルチャーショックも色々あった。判断ミスの反省は反省として思った以上に天気にも恵まれ東北らしい沢旅を楽しんだ3日間だった。新人の澤田を気持ちよく受け入れてくれたリーダーとメンバー皆さんに感謝である。
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