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ちば山の会の山行報告

ちば山の会 山行報告のページ

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尿前沢遡行◆写真 

うわしげです。9月7日に遡行した尿前沢の報告をします。
5年前に一度計画し現地まで行ったところ、その時は宮城内陸地震の影響でダムの周辺は大崩壊、尿前林道は通行止めで入り口敗退でした。その後も縁がなく、今年はお盆に計画、しかし天候不順で順延。今回に至る。

 
19 ナメ滝

【山域】焼石連峰 
【コース】尿前沢本流~ハタシロ沢下降
【日時】9月6~8日遡行日7日 
【メンバー】CL上茂(記録) 平野 石橋 松原
【天気】晴れ時々曇り
【行程】
9月6日6時千葉発~佐倉方面経由で市川~外環三郷IC~東北道平泉前沢IC~R397~尿前林道~中沼登山口16時~フロ沢出合17:30
9月7日出発6:30~三折滝7:10~大滝9:30~滝上11時~夫婦滝12:50~奥の二俣15:40~登山道16:40~1ハタシロ沢18:10~テン場20時
 

尿前沢本流は地形図上に滝のマークが多いが、行程的な標高差は600メートルほどで結構緩やかである。
1泊2日でのんびり楽しむのがほとんどだが、日帰りパターンも可能なので、ベース基地を設け空荷で周遊することにした。
出発前日の天気予報では前線が下がり東北地方は3日間晴れに変わった。
 
9/6 朝6時に千葉を出発のはずが松原さんが来ない。
これは寝坊であろうと平野さんが察知、自宅へ向かい無事合流。約1時間のロスですんだ。
順調に東北道を通過、ちょうど昼食の時間帯に高速を降りて、贅沢にも前沢牛焼肉ランチで腹を満たし、2日間の食材を買い、中沼登山口への林道を走り、登山口に到着したのが16時になってしまった。
金明水方面に向かう広い道に入り、30分ほどで尿前沢に入渓、明日下降してくるハタシロ沢から程なくフロ沢の出合に到着。
右岸上に台地があり住み心地がよさそうだ。草は踏まれることなく最近人が使った形跡がない。
フロ沢入り口には、3メートル位の滑りそうなナメ滝と露天風呂のような釜を持つ。前夜祭は軽めに済ませ就寝。
 
9/7
 雨音で目が覚める。2時頃から止むことなく降り続く。今日の行動にどう影響するだろうか悩ましい。
4時に起床、一応準備だけは進める。辺りが明るくなると、雨は止んだ。
出発予定を1時間過ぎたがまだ間に合う。ということで、尿前ブルーの旅に出発。
最初の滝を右から超えるとゴルジュの始まり。水に削られた岩肌は滑らかで、フリクションは効くが微妙なヘツリで通過する。
樋状の滝は突っ張れそうだが水線突破はパス。滑っている右岸を通過。
ゴルジュを抜けると程なく三つ折の滝に差し掛かる。右岸を高巻くつもりでいたが、滝の右斜面にのびるバンドがトラバースできそうに見える。

リッヂを少し登るとリングボルトがあったので登ってみる。しかしそんなバンドは目の錯覚で、このままずっと上に追い上げられ、それこそ大高巻きになりそうなので、戻って右岸から高巻くことにする。
こんなことでまた時間を無駄にしてしまった。振り出しに戻り高巻開始。
木の根をつかんでの急な登り。ちょうど懸垂によさそうな木を見つけ、ばっちり残置発見。30m2本つないで懸垂、落ち口へ。
日が射し始めるとまだ暑い。次に現れた滝には飛まつに虹が架かり、輝いてまぶしい。右から高巻く。
尿前沢の水は白濁した青色で透明ではないが、日が差し込むと青さが増す。
大滝40メートルだ。右岸斜面は地すべりしたような様子。積み重なった不安定な岩屑をそっと登っていき、
滝の落ち口の高さに達したらトラバースを開始する。30mロープで2ピッチ。
大滝の落ち口にも下りられそうだが、その上の滝も一緒に巻くことでロープがジャスト。
上は釜になっており、思わず吸い込まれたくなるような美しさだ。
小滝を超えていくと、そこからはナメの天国に突入する。緊張から解き放たれ気持ちよく歩く。
ナメのはるか遠くに滝が見えてきた。二俣に分かれる夫婦滝だ。
左が本流、左壁のスラブを登りビレー点がないのでハーケンを打つ。そして滝の落ち口へ斜上していくと、滝脇にアンカーあり。
滝上は広いナメ状。右俣を見下ろすと、釜を持つ多段滝。興味深い。
記録上の核心は過ぎた。本流は水が透明だ。水質が変わったせいか岩が滑るようになった。
それでも滝はまだ続く。巻ければ巻きたいが、かえって巻くほうが悪そうな滝がほとんどだ。
15mくらいの2段滝は右壁側、念のためロープを伸ばしてもらう。上部トラバースの一手が微妙。
源頭の雰囲気を感じると、沢にスノーブリッヂが架かる。もう解けずに冬を迎えることだろう。

奥の二俣は左に入る。すぐに藪こぎになり、木の枝と笹が行く手を阻む。ひたすら西よりに藪をこいでいくと登山道に出た。
これより日没との競争だ。登山道を急ぎ足で上沼、中沼目指して急ぐ。
上沼を少し過ぎたところで平坦な部分から藪に突入し、北へ10分ほどでハタシロ沢に合流。辺りはかろうじて明るい。
ゴーロの傾斜のない沢で、1箇所滝を懸垂しヘッテン便りに黙々と下る。そして尿前沢に再入渓。我が家のテントが見えたときはありがたかった。
達成感をかみしめながら、このために持ってきたビールで乾杯、食材を平らげて、真夜中まで宴会は続いた。
明日は帰るだけなので、9時まで寝てようか。とは言ったものの、結局6時には目が覚めてしまった。
さわやかな朝だ。帰り支度を済ませ、駐車場までの道程きのこをとりながら歩く。途中クアパークひめかゆのやけいし館400円の温泉で入浴。
 
長年温めていた尿前沢はやはり素晴らしい沢でした。朝方の雨ではテンションがかなり落ち込み、早めに戻って別の沢に転進しようかとも頭をよぎりましたが、始終パーティーの強い気持ちに支えられ、無事遡行できたことに感謝します。


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