奥穂高岳・北穂高岳◆写真
2014/05/05 Mon 14:00:00 [edit]
奥穂高岳・北穂高岳山行報告
「山行日」5月4日~5日(計画:5月4日~6日)
「山域・コース」北アルプス穂高岳/上高地~横尾~涸沢(泊)~横尾~上高地
「メンバー」大塚(CL)、三代川(SL)、岩元、神山、萱野(香)、高梨、渡邊(三)、渡辺(理)、齋藤(健)(記録)
「行程」
5月4日上高地7時~横尾10時~本谷橋11時30分~涸沢14時(テント泊)
5月5日涸沢8時~横尾10時~上高地13時
[涸沢]
「報告」
計画では4日上高地~涸沢テント泊、5日奥穂高岳往復、6日北穂高岳往復、上高地下山であったが天候不順により4日上高地~涸沢テント泊、5日涸沢~上高地下山となった。下山後に知った、奥穂高岳近辺での複数の遭難のニュースは衝撃であったが、天候を見て下山を躊躇なく決定したリーダーとメンバーの判断は正しかったと実感した。
5月3日:車2台に分乗し、夜10時満天の星空のもと沢渡駐車場に到着し、仮眠。
5月4日:晴天、
朝6時予約した10人乗りタクシーに乗り、上高地へ。出発時の千葉は夏日、暑くてとても登山用長袖シャツが着られない状況であったが、沢渡はちょうど1月前の気温で桜が咲き、淡い芽吹きの葉が目を楽しませてくれた。朝の大正池は水面が穏やかで対岸の山々をきれいに映しこみ、朝日に真っ白に輝く穂高の稜線とともにベテランの山家の目にも新たな山の魅力を焼き付けていた。
7時身支度を整え、河童橋にて写真を撮り、周りの景色などを楽しみながら歩を進めた。連休の性で沢渡駐車場の車も多かったが、小梨平のテント数も通常の倍はあろうかと思うばかりに張られていた。
同方向に向かう登山者は多く、そしてその多くは泊り山行の様子で、比較的大きな荷物を担いでいた。その人たちと前後して、我々9名もいいリズムで先へ進み、明神、徳沢、横尾へと、途中適度な休息を入れながら10頃には横尾に到着した。
横尾を過ぎてから、登山道に本格的な残雪が現れ、スリップに用心しながらの登りとなった。本谷橋は架かってはいたが通行止めで夏の登山道から外れ、谷筋を上る。初めに覗く流れは澄んでいてとても美しい。
すぐに登りもきつく、そして本格的な残雪となったため、何人かはそこでアイゼンを付け登る。先頭の歩みはリズム良く、それにメンバーが離れず続く。約40分ごとの小休止で活力を取り戻し、いいペースで登る。途中、何人かの知人にも会い、言葉を交わしながら進む。しばらくして、小屋に掲げてある鯉のぼりが目に入る。こんな晴天はいつまでも期待できるものではないと青空のあるうちに記念撮影する。メンバーの笑顔がたまらなく美しい。ヒュッテまでの最後の登り、一歩一歩登ると小屋に到着。上を見るとスマートな好青年がヘルメット姿で我々に手を振る。慶応尾根経由前穂を登ってきた樋口会員だった。
ともかく、天場確保だ。数多くのテントが所狭しと張られている。樋口隊と協力して、隣り合わせの場所を確保。それぞれ、スコップ等で整地、テント3張り、ツエルト1張を設営。
まだ、早い時間だがテントに入れた。中で懇談中、今日北穂高岳に登ってきた広木隊が訪ねてきてくれた。今日は晴天だったがいつの間にか薄い雲がかかり、日の光が弱くなって、明日雨だよ!と言わんばかりの傘が太陽の周りに懸っていた。しばし、樋口隊とともに懇談&楽しい食事、そして就寝時間となった。
直近の天気予報では明日6日は下界では雨、奥穂は難しいので、登山は北穂に変更し、そのまま下山する、最終判断は6日朝の状況次第と話し合った。
5月5日:曇りのち雪そして雨。
朝4時起床、空は曇っているが視界良、風は微か。奥穂を目指す小豆沢には1パーティ、北穂を目指す北穂沢には2パーティがヘッドランプを点けて登っているのが見えた。このままの天気が続くなら、食事後すぐに北穂高岳に登り、その後撤収して下山と想定して作業した。
しかし、食事中に稜線にガスが現れ、さらに視界が悪くなって雪が降ってきた。
この段階で、北穂高岳も諦め下山することとなった。雪は降り続いていた。
後はゆっくりと撤収作業、テントの中でそれぞれパッキング、そしてテント撤収。
8時、下山開始、全員アイゼン装着。視界は良くないが雪は固くアイゼンの効きは良い。下山の踏み跡もしっかりとしていて、30分ほどで本谷橋まで一気に下山。このころには残雪も柔らかく、さらに雨に変わった。下山道は融雪が進み、1日で変更されていた。本谷橋を過ぎて広木隊と合流、横尾まで一緒に下る。横尾では避難小屋の軒で雨宿りしながら休息、濡れた体が冷えた。上高地13時半で迎えのタクシーを予約し、横尾を後にする。以後は各自日頃のトレーニングの成果か、急ぎ足で歩を進め、予定時間より大幅に早く到着し、ビジターセンターで時を過ごしてタクシー乗り場に。
これにて、今回の山行は終了となった。主目的の奥穂高岳・北穂高岳登山は叶わなかったが後で知る遭難のニュースを見ても今回の山行はこれで良かったと思う。何より、メンバーが協力して登り、テントで楽しく過ごせたのだ。各々の役割を理解し、てきぱきとした行動、美味しい食事、酒、お茶、更に何より楽しい歓談、心地よい山行であった。
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「山行日」5月4日~5日(計画:5月4日~6日)
「山域・コース」北アルプス穂高岳/上高地~横尾~涸沢(泊)~横尾~上高地
「メンバー」大塚(CL)、三代川(SL)、岩元、神山、萱野(香)、高梨、渡邊(三)、渡辺(理)、齋藤(健)(記録)
「行程」
5月4日上高地7時~横尾10時~本谷橋11時30分~涸沢14時(テント泊)
5月5日涸沢8時~横尾10時~上高地13時

[涸沢]
「報告」
計画では4日上高地~涸沢テント泊、5日奥穂高岳往復、6日北穂高岳往復、上高地下山であったが天候不順により4日上高地~涸沢テント泊、5日涸沢~上高地下山となった。下山後に知った、奥穂高岳近辺での複数の遭難のニュースは衝撃であったが、天候を見て下山を躊躇なく決定したリーダーとメンバーの判断は正しかったと実感した。
5月3日:車2台に分乗し、夜10時満天の星空のもと沢渡駐車場に到着し、仮眠。
5月4日:晴天、
朝6時予約した10人乗りタクシーに乗り、上高地へ。出発時の千葉は夏日、暑くてとても登山用長袖シャツが着られない状況であったが、沢渡はちょうど1月前の気温で桜が咲き、淡い芽吹きの葉が目を楽しませてくれた。朝の大正池は水面が穏やかで対岸の山々をきれいに映しこみ、朝日に真っ白に輝く穂高の稜線とともにベテランの山家の目にも新たな山の魅力を焼き付けていた。
7時身支度を整え、河童橋にて写真を撮り、周りの景色などを楽しみながら歩を進めた。連休の性で沢渡駐車場の車も多かったが、小梨平のテント数も通常の倍はあろうかと思うばかりに張られていた。
同方向に向かう登山者は多く、そしてその多くは泊り山行の様子で、比較的大きな荷物を担いでいた。その人たちと前後して、我々9名もいいリズムで先へ進み、明神、徳沢、横尾へと、途中適度な休息を入れながら10頃には横尾に到着した。
横尾を過ぎてから、登山道に本格的な残雪が現れ、スリップに用心しながらの登りとなった。本谷橋は架かってはいたが通行止めで夏の登山道から外れ、谷筋を上る。初めに覗く流れは澄んでいてとても美しい。
すぐに登りもきつく、そして本格的な残雪となったため、何人かはそこでアイゼンを付け登る。先頭の歩みはリズム良く、それにメンバーが離れず続く。約40分ごとの小休止で活力を取り戻し、いいペースで登る。途中、何人かの知人にも会い、言葉を交わしながら進む。しばらくして、小屋に掲げてある鯉のぼりが目に入る。こんな晴天はいつまでも期待できるものではないと青空のあるうちに記念撮影する。メンバーの笑顔がたまらなく美しい。ヒュッテまでの最後の登り、一歩一歩登ると小屋に到着。上を見るとスマートな好青年がヘルメット姿で我々に手を振る。慶応尾根経由前穂を登ってきた樋口会員だった。
ともかく、天場確保だ。数多くのテントが所狭しと張られている。樋口隊と協力して、隣り合わせの場所を確保。それぞれ、スコップ等で整地、テント3張り、ツエルト1張を設営。
まだ、早い時間だがテントに入れた。中で懇談中、今日北穂高岳に登ってきた広木隊が訪ねてきてくれた。今日は晴天だったがいつの間にか薄い雲がかかり、日の光が弱くなって、明日雨だよ!と言わんばかりの傘が太陽の周りに懸っていた。しばし、樋口隊とともに懇談&楽しい食事、そして就寝時間となった。
直近の天気予報では明日6日は下界では雨、奥穂は難しいので、登山は北穂に変更し、そのまま下山する、最終判断は6日朝の状況次第と話し合った。
5月5日:曇りのち雪そして雨。
朝4時起床、空は曇っているが視界良、風は微か。奥穂を目指す小豆沢には1パーティ、北穂を目指す北穂沢には2パーティがヘッドランプを点けて登っているのが見えた。このままの天気が続くなら、食事後すぐに北穂高岳に登り、その後撤収して下山と想定して作業した。
しかし、食事中に稜線にガスが現れ、さらに視界が悪くなって雪が降ってきた。
この段階で、北穂高岳も諦め下山することとなった。雪は降り続いていた。
後はゆっくりと撤収作業、テントの中でそれぞれパッキング、そしてテント撤収。
8時、下山開始、全員アイゼン装着。視界は良くないが雪は固くアイゼンの効きは良い。下山の踏み跡もしっかりとしていて、30分ほどで本谷橋まで一気に下山。このころには残雪も柔らかく、さらに雨に変わった。下山道は融雪が進み、1日で変更されていた。本谷橋を過ぎて広木隊と合流、横尾まで一緒に下る。横尾では避難小屋の軒で雨宿りしながら休息、濡れた体が冷えた。上高地13時半で迎えのタクシーを予約し、横尾を後にする。以後は各自日頃のトレーニングの成果か、急ぎ足で歩を進め、予定時間より大幅に早く到着し、ビジターセンターで時を過ごしてタクシー乗り場に。
これにて、今回の山行は終了となった。主目的の奥穂高岳・北穂高岳登山は叶わなかったが後で知る遭難のニュースを見ても今回の山行はこれで良かったと思う。何より、メンバーが協力して登り、テントで楽しく過ごせたのだ。各々の役割を理解し、てきぱきとした行動、美味しい食事、酒、お茶、更に何より楽しい歓談、心地よい山行であった。
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