唐松岳◆写真
2013/02/11 Mon 12:00:00 [edit]
薄井です。三連休の唐松岳挑戦記です。
[引き返しのUさん・0さん]
【山域】北アルプス
【ルート】八方池山荘~唐松頂上山荘下~八方池山荘
【登山方法】雪山登山
【期間】2/9-11
【メンバー】CL田中(孝)、SL大森、薄井
朝5時40分、田中さんに千葉駅近辺でピックアップしていただき、長野経由で八方尾根へ向かう。
渋滞の関越を抜け、上信越道から浅間山を右手に臨む頃、正面には北アルプス、特に鹿島槍が大きくくっきりと見えてきた。
到着は午後1時過ぎ。スキー客に囲まれアウェー感を覚えつつ、こそこそとゴンドラに乗りこんだ。
ゴンドラを降りたらリフトを2回乗り継いで、午後2時頃、今日の宿「八方池山荘」に到着した。
天気はよく、ワカンをつけて少し登るだけで明日目標とする稜線が眺められる。
数年前の秋には予想外の積雪で頂上山荘にて敗退してしまったが、まさかこんな時期に再訪することになるとは想像しなかった。
10日は朝5時起床。お弁当にしてもらった朝食をとり、不要な荷物を預け、身支度をして6時15分に出発。
昨晩は星も見えていたが、今朝は雪が舞い、風も吹いている。「雪山」の天気である。
あまり視界のよくない中、最初はケルンを目印に進む。リーダーが赤旗を立てたり、樹林帯では枝にリボンを結んだりテープを巻いたりしながら先へ進む。
言われたとおり「周りを見ながら歩く」ことを心がけ、地形を記憶するよう努める。
「T字路にぶつかって右へ曲がる」ようなポイントがあった。左手に少し下がったところにスコップが突き立ててあり、そちらへ向かう踏み跡も付いており、「帰りに間違えないように」と思ったことを覚えている。「スコップがあれば間違えない」とも思ったが、冷静に考えれば、先行している登山者のスコップが下山時に残っているわ
けはないのだった。
しばらく登ると、スコップの持ち主と思しき単独行の男性の後ろ姿が見えてきた。追いついて話をすると、昨晩は雪洞を掘ったとのこと。前後しながら山頂へ向かう。その人は休憩のたびにどっかりと座りこみ、そのつどミステリーサークルのような大き
な穴を作っていたのだが、後で「帰りの目印だったのでは」との大森さんの指摘になるほどと思った。
赤旗を立てながら丸山ケルンまでたどり着く。さらに進むと、4人パーティーがロープにつながって下りてきた。これで確実なトレースができていると思い、トレースに従って歩く。黒々とした岩場がぼんやり見えてきたのがわかる。足元がつるつるに
なってきたのでワカンをアイゼンに履き替え(薄井のみワカンを付けていた)さらに登っていくと、先行していた単独男性が下りてきた。
時間切れで下山するという男性と別れてさらに進んでいくものの、風雪が強まりどうにもならない感じになってきた。体力的にはまだ大丈夫ではあったが、たとえ登頂しても何も見えないし、そう考えると気分も盛り上がらない。相談し、今回はこれにて
下山することにした。11時15分だった。
さて下ると決めたものの、先ほどまで歩いてきたはずのトレースが見当たらない。視界はまったくなく、少し歩いては立ちどまり、目を凝らし、目印となるものを探す。
地面との境も上も下もわからないような状況に呆然としつつ、時おりわずかに開ける視界の中で見つけた赤旗を頼りに、そろそろと下りていく。真っ白な世界に立つ赤旗はほとんど唯一の目印となり、その重要性を実感する。
丸山ケルンまで戻り、さらに下った樹林帯でテント設営中のパーティーの脇を通り過ぎ、そして左に曲がるべき「スコップ」があったポイント(田中さんの言う赤テープの場所付近か)を、私たちはどうやら通り過ぎてしまったらしかった。上り下りして
しばらく周りを探したがトレースも目印も見つからず、コンパスの指す方向を頼りにともかく尾根を下っていく。スキー場の音は左手に聞こえるが、いくら歩いても見覚えのある景色は一向に出てこない。
大森さんがスマホを取り出し現在地を確認したところ、八方池が現在地の左手(北)にあるらしいことが判明した。戻るしかない。ロープを出して下った場所を登り返し、行きに通った可能性のある樹林帯を目指してトラバースしていく。雪は胸まであ
るような場所もあったが、それでも前回の雪(1月の前常念下山時の林道)より軽いかもと思いながら、かきわけて進んだ。
到着した樹林帯で赤リボンと薄いトレースを発見し、心から安堵した。その後も最後の最後まで苦労して下り、山荘に帰り着いた時刻は午後4時30分。リフトの最終は午後4時10分で、残念ながら当日の下山は叶わなかった。
連泊した山荘で熱いお風呂に入り、しみじみおいしい食事をいただき、たっぷりと眠った。
翌11日の朝、強風ながらも無事動き出したリフトに乗って下山した。
+写真集へのリンク+

【山域】北アルプス
【ルート】八方池山荘~唐松頂上山荘下~八方池山荘
【登山方法】雪山登山
【期間】2/9-11
【メンバー】CL田中(孝)、SL大森、薄井
朝5時40分、田中さんに千葉駅近辺でピックアップしていただき、長野経由で八方尾根へ向かう。
渋滞の関越を抜け、上信越道から浅間山を右手に臨む頃、正面には北アルプス、特に鹿島槍が大きくくっきりと見えてきた。
到着は午後1時過ぎ。スキー客に囲まれアウェー感を覚えつつ、こそこそとゴンドラに乗りこんだ。
ゴンドラを降りたらリフトを2回乗り継いで、午後2時頃、今日の宿「八方池山荘」に到着した。
天気はよく、ワカンをつけて少し登るだけで明日目標とする稜線が眺められる。
数年前の秋には予想外の積雪で頂上山荘にて敗退してしまったが、まさかこんな時期に再訪することになるとは想像しなかった。
10日は朝5時起床。お弁当にしてもらった朝食をとり、不要な荷物を預け、身支度をして6時15分に出発。
昨晩は星も見えていたが、今朝は雪が舞い、風も吹いている。「雪山」の天気である。
あまり視界のよくない中、最初はケルンを目印に進む。リーダーが赤旗を立てたり、樹林帯では枝にリボンを結んだりテープを巻いたりしながら先へ進む。
言われたとおり「周りを見ながら歩く」ことを心がけ、地形を記憶するよう努める。
「T字路にぶつかって右へ曲がる」ようなポイントがあった。左手に少し下がったところにスコップが突き立ててあり、そちらへ向かう踏み跡も付いており、「帰りに間違えないように」と思ったことを覚えている。「スコップがあれば間違えない」とも思ったが、冷静に考えれば、先行している登山者のスコップが下山時に残っているわ
けはないのだった。
しばらく登ると、スコップの持ち主と思しき単独行の男性の後ろ姿が見えてきた。追いついて話をすると、昨晩は雪洞を掘ったとのこと。前後しながら山頂へ向かう。その人は休憩のたびにどっかりと座りこみ、そのつどミステリーサークルのような大き
な穴を作っていたのだが、後で「帰りの目印だったのでは」との大森さんの指摘になるほどと思った。
赤旗を立てながら丸山ケルンまでたどり着く。さらに進むと、4人パーティーがロープにつながって下りてきた。これで確実なトレースができていると思い、トレースに従って歩く。黒々とした岩場がぼんやり見えてきたのがわかる。足元がつるつるに
なってきたのでワカンをアイゼンに履き替え(薄井のみワカンを付けていた)さらに登っていくと、先行していた単独男性が下りてきた。
時間切れで下山するという男性と別れてさらに進んでいくものの、風雪が強まりどうにもならない感じになってきた。体力的にはまだ大丈夫ではあったが、たとえ登頂しても何も見えないし、そう考えると気分も盛り上がらない。相談し、今回はこれにて
下山することにした。11時15分だった。
さて下ると決めたものの、先ほどまで歩いてきたはずのトレースが見当たらない。視界はまったくなく、少し歩いては立ちどまり、目を凝らし、目印となるものを探す。
地面との境も上も下もわからないような状況に呆然としつつ、時おりわずかに開ける視界の中で見つけた赤旗を頼りに、そろそろと下りていく。真っ白な世界に立つ赤旗はほとんど唯一の目印となり、その重要性を実感する。
丸山ケルンまで戻り、さらに下った樹林帯でテント設営中のパーティーの脇を通り過ぎ、そして左に曲がるべき「スコップ」があったポイント(田中さんの言う赤テープの場所付近か)を、私たちはどうやら通り過ぎてしまったらしかった。上り下りして
しばらく周りを探したがトレースも目印も見つからず、コンパスの指す方向を頼りにともかく尾根を下っていく。スキー場の音は左手に聞こえるが、いくら歩いても見覚えのある景色は一向に出てこない。
大森さんがスマホを取り出し現在地を確認したところ、八方池が現在地の左手(北)にあるらしいことが判明した。戻るしかない。ロープを出して下った場所を登り返し、行きに通った可能性のある樹林帯を目指してトラバースしていく。雪は胸まであ
るような場所もあったが、それでも前回の雪(1月の前常念下山時の林道)より軽いかもと思いながら、かきわけて進んだ。
到着した樹林帯で赤リボンと薄いトレースを発見し、心から安堵した。その後も最後の最後まで苦労して下り、山荘に帰り着いた時刻は午後4時30分。リフトの最終は午後4時10分で、残念ながら当日の下山は叶わなかった。
連泊した山荘で熱いお風呂に入り、しみじみおいしい食事をいただき、たっぷりと眠った。
翌11日の朝、強風ながらも無事動き出したリフトに乗って下山した。
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