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ちば山の会の山行報告

ちば山の会 山行報告のページ

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剱岳~北方稜線◆写真 

住田です、こんばんは。

剱岳から憧れの北方稜線を、綿密な計画と準備、力量の揃ったメンバーで、コワ楽しく無事行くことができました!
長文となりますが、ご参考までに報告します。


21448 池ノ平小屋に到着!(背後に八ツ峰・チンネ)
 [池ノ平小屋に到着!(背後に八ツ峰・チンネ)」

【山域】北アルプス
【ルート】室堂~剱岳~北方稜線(バリエーションルート)~池ノ平~室堂
【日時】2014年8月1日~3日
【メンバー】CL花島・SL神山・吉川・住田(記)
【日程・天候】
8月1日
7:00扇沢駐車場出発~7:30始発バス~9:00室堂ターミナル9:30~12:20別山乗越12:40~13:10剱沢キャンプ場(テント泊)
8月2日
4:30剱沢~6:20前剱~8:00剱山頂8:30~10:00池ノ谷乗越~11:00三ノ窓~13:00小窓~15:00池ノ平小屋(泊)
8月3日
6:00池ノ平小屋~8:40真砂沢ロッジ~剱沢テント(回収) ~15:00室堂ターミナル

※全行程約23Km、高度上昇約2400m
※逆ルートで時期は9月頃が、道迷いや雪渓トラバースの危険が少ないが、今回は2泊で室堂まで周回するため、あえて北方稜線を下るルートとなった。

【内容】
8月1日(晴のち曇)
前夜遅く、扇沢無料駐車に着き仮眠。始発の立山黒部アルペンルートで室堂に向かった。
日本最古の山小屋、室堂小屋南室を見学し、雷鳥沢キャンプ場から別山乗越、剱沢キャンプ場に向かい、テントを設営した。
ここで今年の関プロでご一緒になった埼玉の救助隊の方、また千葉の松戸の会の方にも偶然出会い、そろって乾杯し、楽しいひと時を過ごした。

8月2日(晴のち曇、時折小雨)
翌朝は3:30起床、力うどんでスタミナを蓄え、4:30に出発した。
剱山荘あたりでご来光を拝み、写真撮影と安全登山を祈願した。
剱岳山頂の手前から団体ツアー等で混み始め、カニのタテバイ前では下りの登山者との離合もあり大渋滞。
予定より30分以上遅れて、剱岳山頂に登頂。大パラノマを堪能し、いよいよ北方稜線を目指す。

山頂から稜線をたどり、長次郎の頭は長次郎谷側から巻く。
池ノ谷乗越までは、多少マーキングがあり、踏み後もあるが、岩はもろく浮石が多い。
岩棚のトラバースは、急斜面に切り落ち、高度感があるが、スタンス・ホールドが多く、問題なく通過。

現在位置の認識で、意見が分かれたが、GPS(iPad miniの山と高原地図アプリ)で直ちに確認。心強いオモチャ(メンバーからの呼称)であった。
チンネや八ツ峰の頭を右手に見て、池ノ谷乗越へクライムダウン。見上げると思ったより垂直に近い感がある。

池ノ谷乗越で小窓ノ王の写真を撮りながら休憩中に、反対方向からアンザイレンの3名とすれ違い、ガイトと思われる方から、「小窓雪渓に降りたら、ガスで巻かれる前に早めに、鉱山道への取り付き地点を確認するように」とのアドバイスを受けた。
先にガイトパーティが池ノ谷尾根をクライムアップ。落石を受ける可能性があるため、出発を5分間待つ。

池ノ谷ガリーの下りは、急なガレ場下り。頼りとなる足場が少なく、ザラザラと岩雪崩を起こしながらも、ゆっくり下ると三ノ窓に到着。
大きく開いた窓からは、後立山連棒も望め、北方稜線ならではのダイナミックな景観が続く。

途中、種々の高山花の講釈があったが、唯一追加で覚えたのはダイモンジソウ等に留まった(ルート取り、浮石・足元に集中でいっぱい)。
三ノ窓の左ルートはザレており(発射台と呼ばれている)、とても登れそうにないように見え、上部の岩ルートもロープがないと難しそう。
しかし近づくと基部に残置ロープがあり、ホールドもあり問題なく通過できた。

小窓ノ王から稜線をくだり、小窓の頭を巻いて、小窓を目指す。
途中踏み跡が不明となり、ハイマツの下を藪コギ泳いだり、不安定な草付急斜面をトラバースしながら下る。

途中急斜面の二俣の雪渓があり、念のためロープを出した。
30mロープがいっぱいで、なんとかフィックス。アイゼン、ピッケル、ロープマン等でトラバース。
ここでメンバーの一人が先の雪渓で足を滑らせて転倒するヒヤリハット。ロープのおかげで滑落を免れた。

しばらるすると登山道に合流し、小窓に到着。現在位置の認識で意見が分かれたが、ここでも心強いオモチャで確認できた。
小窓雪渓を下り、滝の手前にあるはずの鉱山道への取り付きを探すが見つからず....小雨が降り出し、ガスも発生し始めた。
持参したヒトココ(お守り替わり)を思い出し落ち着いて、別ルートも視野に入れながら下ると、2番目の滝を見つけ、その手前に取り付きのマーキングを発見、ホッと安堵した。

鉱山道は水平に近いが、へつり状の溝道で雪渓側は切れ落ちており、急な雪渓や崩壊ぎみな所もあったりで、核心を過ぎても気を抜けない。
ピッケルを使って慎重に通過する。
池ノ平小屋のHPで調べると、鉱山道は年々崩壊がすすみ、2名以上でのスタカット・アンザイレンが必要とある。

途中から一般道ぽくなり、旧鉱山道らしくモリブデン鉛鉱原石もあり、牧歌的な風景を楽しみながら進むと、池ノ平小屋の赤い屋根が見えた。
前日テン場で一緒だった別ルートからの埼玉の救助隊のH川さんが、大きく手を振っている!無事再会でき、達成感もありジーンとくる。

池ノ平小屋では露天の五右衛門風呂を勧められ、まずは女性陣から。カメラを手に、大はしゃぎの声が聞こえる。
交代で男性陣。八ツ峰、チンネを仰ぎ見ながらの露天風呂は最高!
五右衛門風呂のフタの裏側に、管理人が酔っ払って詠んだとされる、戯れ句が落書されていた。
 「山岳招来 酔客無尽 草木騒然  鳥獣随喜 池の平湯」

北アルプスで一番小さな山小屋は、at homeな雰囲気で、山小屋の方を交え楽しい山談話に会話が弾んだ。


8月3日(曇)
室堂最終16:30を目標に、6時発。しばらく進んだところで、「小屋の方との一緒の記念写真は?」との声があり、小屋まで引き返し、記念写真を撮らせていただく。
管理人の方から、「写真のために引き返してこられたお客は初めてだ!」とのこと。
小屋の見送りの鐘、ジーンとくる。

二股、真砂沢ロッジから剱沢雪渓を登る。
ロングトレッキング用軽量ザックのお蔭か、3日目も順調に進む。
剱沢でテントを回収し、予定より早く室堂に到着した。

温泉: 大町市コミュニティセンター 上原の湯(400円): 空いていました。
夕食: 大町で「カイザー」: お肉関係の定食人気

今回振り返って
・ルートファインディングと、事前のルート情報収集が重要だと再認識した。
 (ルートをはずれたまま突っ込むと、途端に難しくなり危険)
・リーダーの的確な企画と、美味しい食事とおつまみ等、メンバーの皆さんに感謝します。


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朝日岳~風不入◆写真 

吉川です。寸又峡周辺の山を歩いてきました。核心は林道でした。

【山域】駿河、寸又峡周辺 
【ルート】朝日岳~大無間~風不入 
【登山方法】テント縦走 
【行動日】12/6~8 
【メンバー】L柘植、吉川(記)
【行動】12/5土気20:00-大宮IC-東名高速-新東名-新静岡IC-奥大井音戯の郷道の駅(仮眠)
12/6~12/8朝日トンネル出口駐車~朝日岳~大無間~風不入~栗代林道~朝日トンネル出口-新静岡IC-新東名-東名高速-大宮IC-土気


13三方峰の山頂  [三方峰の山頂]

 12/6(晴)【行程】奥大井音戯の郷6:00-朝日トンネル7:50-朝日岳登山口8:10-朝日岳山頂11:40-1883mコッパ沢の頭15:50(幕営)

【内容】
車止めゲートから20分で朝日岳登山口の標識を見て登る。合地ボツまで急斜面をひたすら700mを登りきると、なだらかな冬枯れの尾根道になり、流れ落ちる汗も一旦止まる。木々の隙間に前黒法師岳が見えてくると、ザックの重さも一時忘れ足の運びもよくなる。展望所の看板がある所からは、前黒法師岳から黒法師岳、丸盆岳、鎌崩、不動岳の眺めは素晴らしい!と感動するのは、多分歩いているからだと思う。シラビソの針葉樹林の急登も緩やかになると、薄っすら雪の朝日岳山頂に立つ。展望のない山頂だが、樹林の奥に大無間山を望む事ができる。
ここから、緩やかなアップダウンと蛇行を繰り返し長い尾根を北上して、鹿の土俵場まで進む。この間、深南部秘峰と呼ばれる風不入が、どっしり稜線を広げ構え、また、大無間山もこんもり大きさを競っているように見えていた。コッパ沢の頭を通過し、笹原に小屋を発見!今晩は、小屋の軒先をお借りする。随分歩いたように感じたが、朝日岳が意外に近く感じる。強風は、夜になっても止むことはなかった。星が輝き、街の明かりが、薄っすら山を染め綺麗!

 12/7(晴)【行程】笹原の小屋6:50-三方窪8:15/9:20(コッパ沢へ水を求め)-大無間山12:38-三ツ合山近辺15:00幕営

【内容】
深南部らしい笹原は、三方窪に下る頃から踏み跡は消え、笹を分けて進む。ザックを倒木の目立つ位置に置き沢を下降して行く。15分の下りで伏流水を得た。2.5リットル増えたザックを担いで倒木を越えられずコケタ!ショックで、三方嶺への200mの急斜面は喘いでしまった。昨日から眺めていた山から中の尾根山、池口岳、光岳やこれか行きたい合地山の展望を三方嶺で充分たのしんで、大無間に向かう。オオシラビソの太古の森は、雪を踏みしめ忠実に上を目指して進み見覚えのある山頂に出た。ここで登山者に会う。展望の無い山頂は寒く早々に下る。雪は少ないが、土が凍っている。アイゼンをつけるまでも無いが、気を付けて下る。前無間のガレ場からは、急降下2098mのピークを越え一登りで三ツ合山。そろそろ幕営敵地を探しながら下り15:00、シラビソの森にテントを張る。18:00には、シラフに入る。

 12/8(ガス、曇り、晴)【行程】三ツ合山付近6:20-風不入7:35-抜ヶ谷山9:55-栗尾峠-林道11:43-朝日トンネル駐車場14:40-寸又峡温泉-新静岡IC-新東名-東名高速-大宮IC-土気

【内容】
早朝、シラビソの樹林をいい感じで歩きはじめるが、たまには、切り立つガレ場の通過もある。その時、ちょっとの振動で散る綺麗な霧氷が見られた。なだらかに登りきって山頂を探す。風イラズ、奇妙で変わった山の名前!ここから栗尾峠までは、木にぶら下がったり、後ろ向きに下りたりの急斜面や岩稜痩せ尾根、ガレ場の通過が続く中、時折ほっとできる尾根歩きも交えて楽しめる。シロヤシオなどツツジの木がたくさん自生していたので花の時期はきっと綺麗だろう。黒枯山辺りは、枯れかかった笹薮もあった。
栗尾峠からは、苔のついた不安定なガレ場を急下降して林道に降り立ちホッとするのも束の間、林道の大崩壊が三箇所あった。始めの崩壊を見た時は、何とか高巻けると思い高巻いたが、二回目、三回目と、もっと大きい崩壊を目の当たりにすると不安に苛む。が、かすかな踏み跡に勇気付けられ越える事ができた。その後、土砂や倒木越えを経て、林道に車を見つけた時は帰れる核心を得た。この林道崩壊の情報を得ていたにもかかわらず回避できなかった事に深く反省している。林道テクテク歩きの時、大井川鉄道の汽笛が聞こえ、水色の接岨湖の景色が眼下に広がり安全地帯を歩いている!つい先ほどまでの悪夢が嘘のよう。すがすがしい気分で車に戻る。

 深南部の山は、大体が展望もなく地味な山頂だが、それを繋げる事で、味わい深いルートを辿り、自分のドラマが生まれ広がる楽しみがある。
素晴らしいバリエーションルートを満喫した。


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天武蒋尾根~両神山◆写真 

吉川です。台風の影響で急遽予定変更し、前夜発日帰りで両神山バリエー
ションルートを歩いてきました。

09両神山山頂
 [09両神山山頂]

【山域】奥秩父 
【ルート】天武蒋尾根~両神山 
【登山方法】岩稜尾根バリエーション 
【行動日】9月29日 
【メンバー】L柘植、澤田、吉川(記)
【行程】9/28土気20:30-関越道-花園IC-秩父道の駅仮眠-9/30秩父道の
駅5:10-日向大谷駐車場6:38-天理岳8:53-前東岳11:45-剣ヶ峰-清滝小
屋13:35-日向大谷駐車場15:35-花園IC-関越道-帰葉


【内容】9/29(晴れのち曇り)奈良尾峠への標識はあるもののかすかな踏
み跡を頼りに崩壊や倒木で解りにくい支尾根のトラバースで奈良尾峠に出る。
ここから天理岳は、尾根を外すようなところもなく明朗なルートではあった
が、岩峰を急斜面の側面から稜線に這い上がったり、ナイフリジの通過等変
化があり楽しめた。天理岳の手前1083.6mピークに三角点があったが、これ
が、天理岳の三角点らしい。天理岳標柱のある南峰から西方に屏風のような
両神山、北方には二子山を眺める。天理岳から踏み跡を辿り石の祠を見て尾
の内沢の尾根に踏み込みそうになったが、GPSでルートを修正した。この急
斜面の下降は厳しかった。地図上に迷いマークがあったのに磁石も地形図も
確かめず鮮明な踏み跡に惑わされてしまった。(反省)その後、ホッとする
稜線歩きや岩稜を直進し、崖に阻まれ戻って巻きを探したり、3m位の垂直の
岩をクライムダウンしたり、又、潅木の急斜面を這い上がったりと大変なト
レーニング山行だ!何度か、素晴らしい展望だろうテラスを通過したが、ガ
スに覆われ展望は得られずに残念だった。主稜線の前東岳から山ガール、山
ボーイで賑わう両神山山頂に立つ。下りは、一般ルートの清滝経由で日向大
谷の駐車場に降りた。


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北アルプス南部・奥又白池 

井上志津子です  こんにちは

遅くなりましたが、10月8~10日の45周年記念岳沢集中山行、奥又白池
コースの報告をさせていただきます。


山 域: 北アルプス南部、奥又白池
メンバー:(CL)井上志津子、(SL)杉山喜代枝
コースタイム
10月7日(金)晴れ 前夜発19:30―0:30「沢渡上」駐車場着、車中泊
10月8日(土)晴れ 上高地8:00―徳沢園10:00―新村橋10:30―
 11:20パノラマコース分岐―中畠新道―15:30奥又白池 テント泊
9日(日)晴れ 奥又白池6:00―A沢―10:30前穂高11:00―
 11:45紀美子平12:30―重太郎新道―15:30岳沢祝宴参加 テント泊
10日(月)晴れ 岳沢6:30― 9:00上高地―10:30「沢渡上」駐車場
 12:00発―20:00帰葉

内 容:

再々計画書を作り直し、直前に下山連絡先の辻本さんに提出した頃にはやるべきこ
とを済ませた気持ちになり、張り切って持ち物を確認して、杉山さんとの合流場所に
向かった。
車中泊も便利で良いものと納得し、用意の記念写真用の横断幕を駐車場で書き、傷め
ないようザックに括り付けた。
8日朝、バスで上高地に着き、計画書を登山届箱に入れながらも、会への入山連絡を
忘れてしまい、岳沢で合流したとたんに大目玉をいただくことになった。
上高地―明神―徳沢は案の定のぞろぞろ歩きで早くも遅くも歩けない。徳沢園を過ぎ
新村橋を渡ると急に人が少なくなり、用意の地図をみながら、今どこ、今ここと確か
めながら歩き続ける。

ナイロンザイル事件の碑を写真に収め、さらに歩き続けるとパノラマコースとの分岐
に出た。杉山さんは、ここで水を汲めることを知っていたので、早々と汲み終わり、
私も習って2Lを汲んだ。目の前にHP.で見た通りの松高ルンゼと中畠新道が見えた。
あの中を入って行くのよ、と確認し合い急斜面を歩き始めた。踏み跡は判別でき、地
図とコンパスで確かめながら方角を間違えないように、上を目指した。覚悟の急斜面
も根や枝につかまり、やっとの思いで高度を上げていく。2300mを過ぎると、見通し
も良くなり、あの上が奥又白池と稜線に想いを馳せる。
杉山さんはここまでくればもう大丈夫と思ってか、先に乗越してテン場をみつけてお
いてくれた。テント設営後もまだ明るく杉山さんのけんちん汁などをいただき、その
後、スケッチするからと場所を移して良いところで、描き始めた。晴れた日の暮れか
けた夕日の中で、杉山さんは前穂の前衛と奥又白池の静かで雄大な景色の点景となり
1幅の絵のようであった。

日が落ちても中々暗くならず、1周100m程の池を2周りして、テントに入った。夜更
けて気温5度以下となり耐寒体験でふるえながら朝を待った。
9日朝、テントを撤収しながら、来た道を下るか、ここに来て他の登山者達から聞い
て分かったA沢を登るかで話し合い、他の登山者と装備がそう変わらないのと、だん
だん明るくなり、A沢が良く見えてきてそこまでのアプローチも他の登山者について
いけそうだし、とても登れそうもなければ、もどって中畠新道を下ることを確認し
て、A沢に向かって歩き出した。急斜面でザレ場ながらも見晴らしはよくダブルス
トックでどうにか登れる。落石を気にしながら気を付けて進んだ。急斜面で息を整え
ながら登った。
A沢を登るとすっかり景色は変わり、明神岳、吊尾根、前穂高がよくみえる。ここか
らの道はわかるからと、杉山さんは一層勇ましく歩き出した。用意した10000分の1の
地図をよく見ても岩稜帯では道の判別ができなかった。しばらく登ると前穂高の肩辺
りの岳沢へ行く道標に着いた。杉山さんは前の週に登っていたが、私は3年ぶりで、
天気も良く時間もあったので、頂上まで行きたいと希望した。A沢を登った後で、決
して楽ではなかったが、前穂頂上で三角点タッチして写真を撮りながら1周した。11
時下山開始して、紀美子平で一休みして重太郎新道を岳沢まで下った。

 奥又白池でテント泊できて、感動体験ができた山行でありましたが、一方、大切な
記念の集中山行に参加しながら、団体行動から逸脱する行為をしまして、お詫びの申
し上げようもなく反省するばかりです。今後は一層危機管理に関心を深めて精進して
いきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


杉山喜代枝、井上志津子
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剣岳源次郎尾根◆写真 

樋口です。
バリエーションルートの入門コースである、剣岳源次郎尾根に渡辺(理)さんと
行って参りました。
空模様に悩まされましたが、達成感のある山行でした。


10 剣岳本峰頂上

【山域】北アルプス
【ルート】剣岳源次郎尾根
(剣沢BC(三田平)~剣沢雪渓~源次郎尾根~剣岳~別山尾根~剣沢BC)
【登山方法】縦走
【メンバー】L樋口、渡辺(理)
【日程】
8/4 千葉21:45出発、扇沢無料駐車場で仮眠。
8/5 扇沢7:30始発⇒室堂9:30→大日岳稜線10:29→別山乗越11:50→剣沢BC12:51
8/6 剣沢BC 4:55→源次郎尾根取付5:45→二峰9:10→剣岳11:00→剣沢BC14:20
8/7 剣沢BC 6:21→別山乗越7:00→室堂 9:07⇒扇沢、帰葉。

【内容】

 私が源次郎尾根を初めて登ったのは15年前。当時の記憶はありません。
岩登り初心ですのでアルパインクライミングの入門コースである源次郎尾根に
あらためて挑戦しました。

8/3に三ツ峠の岩トレに私たち2人とも参加、翌日の夜に出発するという、ハード
スケジュール。頭も疲れているからか、中央道から長野自動車道の分岐を通り越
して伊那に向かっていることに気づく。間違えた。3時前に扇沢に到着、無料駐車場
としては最上位の扇沢ターミナルに最も近いところに停められた。

8/5 扇沢始発のトロリーバスに乗車し乗り換えて室堂へ。天候は晴れというよりは曇り。
剣沢キャンプ場にテントを張る。18時過ぎに雨が降り出す。本降りとなるも風がなく。
ラジオの天気予報に耳を傾ける。明日の予報は曇り時々雨。
渡辺理さんが幕営管理事務所にヒアリングしたところ、翌日も今日と同じような
天候になるとの情報を入手。地図、ガイドブックと先の山行・剣岳八ツ峰のⅥ峰から
撮影した源次郎尾根の写真を広げテントの中で作戦会議。
午後過ぎに本降りになることを前提に11時までに本峰に辿りつけるよう、コース
タイムを逆算。
 ①早発ちすること(3:30出発)。
 ②途中、天候が悪くなったら、エスケープルートとしてⅡ峰の懸垂下降後のコルから
  長次郎沢左俣に降りること。
 ③朝雨が降っていれば断念すること。
以上3項目が作戦会議の結果。あとは、翌朝の天候を祈るのみ。20時前に就寝。

8/6 2:30起床。残念、雨が降っている。もう1時間後の空模様で源次郎尾根に行くか
否か判断することに。すると熟睡してしまい4:00に目覚める。30分寝過した。
わぁー、ほぼ快晴だ、八ツ峰や源次郎尾根から本峰までの稜線がバッチリ見える。
バタバタして4:55にキャンプ場を出発。
でも、あっという間に雲が現れて、辺り一帯どんよりと。
軽アイゼンを付けて剣沢雪渓を下る。源次郎尾根の取り付けからしばらく登るとい
くつかの難関?に遭遇。
1つめの壁。2m上にある木の根っ子と前後のホールドを使い、突破。ザックを
上げて、空身で登る。
2つめの壁。同じく、2.5m前後の高さにハーケンがある。
これにヌンチャクをかけて、ヌンチャクを頼りに身体を上げるとホールドがみえ、
乗り越えられる。
3つめの壁。壁ではないか、右手のルンゼ側にスッパリ切れている岩稜の登り。
ここは落ちたら助からない。
いずれも、上部にビレイするための支点が何かしらありました。途中から霧雨が
降り出し、岩が滑りやすくなる。
以上の壁を乗り越え、ルンゼ寄りに尾根をひたすら登っていくと、Ⅰ峰へ。視界は
ほとんどなく、Ⅱ峰が時々みえるだけ。
Ⅰ峰をクライムダウンし、稜線右のハイマツ沿いにⅡ峰を登り返す。
Ⅱ峰30m弱の懸垂下降場に到着。先行パーティーが懸垂下降中。セルフビレイ
してからルートを覗きこむ。
コルから1段上がったところにあるテラスに降りているようだ。
先行パーティーが懸垂下降を終了後、60mシングルロープを支点となるシュリ
ンゲに通し、両末端をエイトノットで結びロープを整線後、先行パーティーに声を
掛けてからロープダウン。
試しに荷重をかけて支点に問題ないことを確認後、セルフビレイを解除し、懸垂下降。
基本的に、壁を蹴りながら下降できた(足の届かない空中下降はなかった)。

コルに降りたところで、本峰に進むか、エスケープルートで長次郎沢左俣に降りるか、
打ち合わせ。
順調に登っており時間に余裕があること、
霧雨(時々小雨)も無風であること、長次郎沢左俣への降り口の雪渓は、結構
急斜面で本格的なアイゼンとピッケルがないと危険であることから、計画通り
剣岳本峰まで登りつめることに決定。
この先は稜線を大きく緩いカーブでジクザクに登ってゆく。まっすぐ直登すると、
少しスリルがあるというか、怖い岩登りとなる区間あり。
視界が短いのでルートファインティングを慎重に行う。険しい尾根が丸みを増して
きたら本峰近し。やった、やった、頂上だ。

ここから先は別山尾根の一般ルートを下山。蟹の横這いで渋滞。剣沢BCへ戻る。
登頂に成功したあとのビールはとても旨いこと。

8/7 この日の天気予報も午後から雷雨があるとのこと。
計画では、剣沢雪渓を下り、真砂沢小屋からハシゴ谷乗越を登り、内蔵助谷を
経て黒部ダムまでの行程であったが、増水すると内蔵助谷を渡ることができる
のか判断付かず、下山ルートは往路を引き返すとことした。

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